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    koinoru-retto (Japanese Edition)

    Por sae souta

    Sobre

      第1話   恋のルーレット
                               


     ルーレットが回っている。
     回って回って、その勢いは徐々に落ちてくる・・・・・・。最後に、あちこちにぶつかりながら、玉はひとつの箇所に吸い込まれていく。何十と並ぶ数字からたった一つを選び出して・・・・・・。
     だけれども、なかなか玉は、思うようなところに入ることはない。当然、当たりなんて滅多にでることはない・・・・・・。
     それは、なにかに似ている。思い通りにならない点も、当たりがなかなかでないという点も、何かに似ている。
     そう・・・・・・。ルーレットは男と女の出会いに似ている。
    男にしても女にしてもなかなか、「当たり」の人と出会う確率は低い。
    その人との出会いを「当たり」だと思い込むのは実にたやすい。けれども、それは真の意味での「当たり」ではない。
    確率は低い。かなり低い。もの凄く低い・・・・・・。
    けれど、諦めてはいけない。低いだけであって、「ゼロ」ではない。
    そこが味噌だ。
    思いもかけない素晴らしい出会いが、稀だがあるのだ。極々稀にだが・・・・・・。
    そのために、人はアバンチュールやインモラルな関係も厭わない。
    いい出会いをするためには、そのつまらない関係も避けて通るわけにはいかない。
    だからこそ、人は人に翻弄され、謗られ、黙れながらもいい出会いを求めて、彷徨い歩く。
    いい人に出会うために。ただ、それだけのために・・・・・・。
    そして、いい恋を実らすために・・・・・・。




    第2話  恋せよ銀座

                          



     いくつものちっぽけな夜と、いくつかの気だるい朝が女の心を蝕む。情熱と、ロマンスと、ムードと、言い訳の数々。だが、そのすべてはアルコールと、夜更けと、孤独が、お膳立てをしてくれる。誰にだって可能なラブモード。そのスイッチを入れるのはやはり二人同時だ。後戻りなんか出来ない。絶対に後悔してはいけない。遊びだったのね!そんな人とは思わなかった!なんて子供地味たことを言っては駄目。もうみんな大人なんだから。軽く笑って、私も最初からそのつもりよと、小意気に手を振るぐらいの女じゃなくちゃ、この街で遊ぶ資格はない。
    白みはじめた空を、遮光カーテンの隙間から覗いてみると、苦いだけのモーニングコーヒーがぷんと匂った。細長いビルとビルの隙間からは小さく赤い搭が見える。
     東京タワーが見える部屋。
     男が言ったことに嘘はなかった。セミダブルベッドのあるシングルルームとまでは聞かされていなかったが。
     湯沸し器の点灯サインが保温に変わった。インスタントのお茶パックを湯飲みに入れるとそっと湯を注いだ。胃が弱い。昨晩、男がそう言ったのをちゃんと憶えていたからだ。これを、体を抱かれて、心まで熱くさせられたと勘違いされては困るが、男に献身的になるのは嫌いじゃない。
    男の体の重みを感じている間、それが正しい選択だったかどうか戸惑いを感じることは多々ある。断っておくが、それは抱かれていること自体ではなく、果たしてこの男が最低限のマナーを持ち合わせたリトル・ジェントルマンであるかどうか、自分の欲望のためだけの行為に徹する男かどうか、その見極めがちゃんと出来たかどうかという点に絞られる。だが、今回も及第点を与えられそうだ。男に対して、そして自分に対しても。酒の席についたときから観察、洞察しているから問題はないのだが。



    第3話  ラストダンスは君と踊りたい

                        


     「出て行け!訴えてやる!」
     「私たち結婚をちゃんと考えてるのよ!いつもいないくせに、こんな時だけ父親ぶらないでよ!」
     発狂しそうになって激怒する父親。泣きはらして真っ赤になった顔の少女。そして対峙する二人の間には玄関の三和土に土下座した青年がいた。
     青年は二十五歳。
     少女はまだ十五歳だった。
     青年はとぼとぼと駅への道を歩いていた。さっきの光景が何度も頭を過ぎった。拳を振りかざし、必死に自分を諌めている父親の眼から涙が零れていた。その怒り狂う気持ちがひしひしと伝わってきてもうなにもかも諦めざるを得ないと悟った。せめて子供を堕すところまでは立ち会いたいと思ったが、そうも行くまい。
    子供ができて嬉しがるには、人間の場合、倫理と常識の壁がいくつも立ちはだかる。それを乗り越えられないなら堕胎する道を選ぶしかない。本来なら親の知らないうちに堕すのだろうが、二十代も半ばという歳を考えれば、余りにも無責任だという気持ちがあった。少女にしても、大人の男と付き合ってたわけだから、当然子供がするような投げやりな方向での解決などしないだろうと期待する気持ちがあるに違いなかった。
    知り合った当初、全く先のことなど考えていなかった。それが、そうじゃなくなったのは、いままでに出会ったどの女よりも限りなく理想に近いのではなかろうかと思い始めてからだ。単に好みの問題なのだろうが、それにも増して逢瀬を重ねても全然飽きなかった。いついつまでも飽きることはない。そう予感させるものがあった。大概の女は一晩で飽きていた。それが今回は違った。それは歳が若いからとか、擦れてないからとか、エゴを満たしてくれるからとか、そんな短絡的な欲望からではない。存在そのものが不可欠であり、もっと言えば絶対的な女としての個を主張していたからかもしれない。
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