この『これで読破!百人一首』は、藤原定家の選びに選んだ百人とその一首を定家の目から鑑賞し直すという観点で解説している。原文と現代語訳を並列し、語句の解釈とそれぞれの解説を全てに施した。解説は、島津忠夫を始めとして、有吉保や、北原白秋の感想なども紹介する。現代語訳は、三石のオリジナルであるが、これを参考にして読者が各自の詩心で翻訳しなおしてくれるなら望外の喜びである。
小倉荘で、献上の屏風に貼るために『万葉集』以後、定家の時代の若手に至るまでの秀歌を選びに選び抜いた作業に、きっと現代人も心ときめくことだろう。『万葉集』から始まり、九つの勅撰和歌集(=八大集と『新勅撰和歌集』)の中から秀歌を選び出すのに、吟味に吟味を重ねて、定家の知識と好みを余すところなく映し出している。それは、現代人の興味をかきたてるばかりでなく、教養の一助になること間違いのないところである。
『百人一首』の特徴は、その恋歌の多さにある。何と百歌中、四十三首もある。定家は、恋の情趣を大変好んだ。定家自身が選んだ自分の一首もまた恋の歌「来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」であった。
『これで読破!百人一首』は、三石由起子の「これで読破!」シリーズの一冊であるが、今回ばかりは「読破」ではなく、ゆっくりじっくりと、何年もかけて味わい直してもらいたい。九十歳まで生きた歌人の一首を選ぶのに二十代の作品をもってした定家である。一瞬の情景や思いを切り取った歌が、末長く私達にも私達の子孫にも伝えられるのである。この楽しみを看過する手はない。
korede dokuha hyakunin isshu (Japanese Edition)
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