バブルが終わった中国経済はL字型成長の軌道に乗りそうだ。短期的V字型回復も中期的U字型回復も望めず、長期的L字型成長に陥る可能性がある。
腐敗が社会のあらゆる組織に上から下まで蔓延し、中国共産党とその軍隊も例外ではない。それどころか腐敗追放を唱え、多くの高官、幹部を粛清した党と国家のトップである習近平国家主席の親族の名もタックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」で明るみに出た。
文書を調査した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によると、習近平主席ら党歴代最高指導者、幹部計8人の親族が名を連ねていた。8人のうち3人が現役の政治局常務委員(最高指導部)で、習主席(党序列1位)の実姉の夫、つまり義兄のほか劉雲山(同5位)、張高麗(同7位)両氏親族も租税回避地にある法人に関与していた。残る5人は毛沢東(元国家主席)、胡耀邦(元総書記)、李鵬(元首相)、曽慶紅(元国家副主席)、賈慶林(元全国政治協商会議主席)らの子供や子孫の名前も挙がっている。
反腐敗運動で支持基盤を固めてきた習指導部の求心力に影響するだろう。本書第2編「中国的腐敗 新官場現形記 令計画 薄煕来 周永康 徐才厚 習近平」第5章第1節「NYタイムズが報じた習近平の身辺整理」に習近平一族の金満ぶりがあぶりだされている。中国社会では一族のうち一人が出世すれば妻子にとどまらず犬やニワトリまで出世するといわれる。身びいきの牢固とした伝統が21世紀の中国に引き継がれた。
加えて生産年齢人口(16~59歳)は減少し、老人が急増している。バブルの後遺症で、空も大地も、海や川もすっかり汚染されてしまった。格差も拡大した。中国経済は過剰な設備と過剰債務に加え労働者の高齢化と産業構造の転換によって過剰労働力が生まれている。鉄鋼、炭鉱関係だけで180万人もの労働者が職を失い、三千万人以上の出稼ぎ労働者がこれから失業の憂き目を見るといわれている。
失業した、都市労働者(鉄鋼のほかに、造船、アルミ、ガラスなど不況業種)は各地で町ぐるみの抗議活動を巻き起こし、不採算国有企業の淘汰は簡単には進まない。
長期停滞を意味する中国のL字型成長は既に始まっている。株の暴落と低迷、ゴーストタウンの出現と増加だけでなく輸出入、外貨準備、(海外からの)直接投資の減少は2015年から始まっている。経済成長率も発表数字を大きく下回る水準にある、と推測する海外のエコノミストは少なくない。日米に比べて極端に低い基礎研究費の下で模倣技術の腕を磨いてきた中国から経済発展に不可欠なイノベーション(技術革新)は生まれそうにない。
学問の自由、言論、結社、信仰の自由といった経済発展の基礎となる「自由」がなく、人権がしばしば侵される国であり続ける限りU字型回復も難しいだろう。
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