・現在のバージョンは、ver. M b0.01 です(2015年5月の初版)。
[「死の蝶(パピヨン)」を含めた6つの短編からなるフランス短編小説のアンソロジー『6つの物語(メリメ、ロニー兄、モーリス・ルナール) [モノクロ]』[Kindle 版]も発売中です]
・目次等からの内部リンクに不具合が発生する場合があります。内部リンクに不具合があった場合は、申し訳ありませんが、リンクを使わずに、1ページずつページを動かしてください。
・これは、モーリス・ルナールの超短編小説『死の蝶(パピヨン)』(1929年)の、おそらく本邦初訳となる翻訳です(『死の蝶(パピヨン)』は文庫本で数ページくらいの長さです)。
・本書『死の蝶(パピヨン)』は、不定期に無料にする可能性があります。
[もし旧訳が存在する場合は、どうかご連絡お願いします。現時点での本書の訳文は、ベータ版とします]
【各巻末の「お知らせ」コーナーについて】:
・巻末の「お知らせ」コーナーで、私の〈翻訳の電子書籍〉シリーズ各巻(メリメのほか、ロニー兄、モーリス・ルナール)からの抜粋を並べてあります(今のところ、この「お知らせ」コーナーは、〈翻訳の電子書籍〉シリーズ各巻でほぼ共通)。
・作者モーリス・ルナール(1875年〜1939年)は、20世紀前半のフランスSFの代表的作家の一人ですが、この超短編『死の蝶(パピヨン)』は、SFというよりホラー風の作品です。
【読書案内】:
・モーリス・ルナールの本格的なSF小説『青禍』の翻訳(本邦初訳)が Kindle 版で出ていますので、この作家のSF作品に興味のある方は、ぜひお読みになってください。私自身は、『青禍』をお訳しになった神谷喬志さん(※)とは、残念ながら全く面識がないのですが、同じ原作者の作品の翻訳であるため、ここでご案内しておきます。
※ 神谷喬志さん自身のブログ「たかしの可動模型工房」では、モーリス・ルナール作『准神レルヌ博士』等々の翻訳も掲載されています。
■ モーリス・ルナール『死の蝶(パピヨン)』からピックアップ:
《垣根の曲がり角で、僕はヤコブス親方に気づいた。親方は、ミツバチの巣箱の前に立っていた。両手をポケットに突っ込んでいた。背が低いからこの人が親方にちがいないや、僕はそう思った。親方は、小道を歩いてきた僕の足音に気づいて、こっちに顔を向けた。おっかない顔つきをしているので、僕はびっくりした。そう言えば、親方の顔のことは母さんから聞いていなかったっけ、と思った。しかし、父さんが生きていたころには、ヤコブス親方はきっと、もっと優しい顔をしていたんだろうな、とも思った。
親方は、猫背で、顔色が悪く、鼻の一部が欠けていた。左目はつぶれていた。そして、とにかく顔つきが、いかにも意地悪そうだった。警戒心を抱かされると同時に、悲しみも感じてしまう顔つきだ。》
《虫は、大きな羽をひっきりなしにふるわせ続けた。脚がコルクに触れていた。突き刺さったピンが回転軸になって、蛾はくるくる回っていた。なんとかして飛び立とうとしているのだ。小型のコウモリほどもある大きな蛾だった。軟毛でおおわれた背の上に、どくろの模様がやけにくっきりと浮き出ていた。海賊船のどくろマークに似ている。ならず者のしるしだ。暗がりのなかで、二つの大きな目が光っていた。玉虫色に輝く二つの乳白色の石、といったところだ。 》
♯ 刊行後のバージョン履歴:
※ かっこ内の数字は初版と改訂版を合わせた通算の発行回数。
・ver. M b0.01 (1):初版[ベータ版]。このバージョン。
※ ご購入後に出た改訂版の入手方法については、Amazon に問い合わせてみてください。
お手数ですが、よろしくお願いします。
※ 目次は、この Kindle 本の巻頭と巻末の2ヶ所にあります。巻頭のはシンプルな目次で、巻末のは詳細な目次です。
【無料キャンペーンについて】:
・〈翻訳の電子書籍〉シリーズの中で、無料キャンペーンをする可能性があるのは、〈ショートショートひとつだけ〉のうちの一部です。
・無料キャンペーンはラインナップの充実と連動して考えています。ラインナップを充実させることが大きな課題です。
・『甘ったるい話 残酷な愛』、『死の蝶(パピヨン)』、『彼女(エル)』、『トレドの真珠』は、不定期に無料にする可能性があります。
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔モノクロ〕]』も不定期に無料キャンペーンする可能性があります。
・しかし、『カルル十一世の幻視 [新訳〔セピア〕]』と『カルル十一世の幻視 [新訳 プラス 対訳]』は、無料キャンペーンの対象外です。
■〈翻訳の電子書籍〉シリーズのラインナップ(2015年10月下旬現在):
・『無辺際への航行者たち——第1章』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『地球の死——第1章(砂漠を駆けめぐる言葉)』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『6つの物語』[Kindle 版] (メリメ、ロニー兄、モーリス・ルナール) [※ この『6つの物語』は、〈ショートショートひとつだけ〉の5作品と「カルル十一世の幻視 [モノクロ]」の合計6つの物語を収録した Kindle 本です。ただし、対訳版等は含まず、私自身による日本語の訳文のみです]
・『死の蝶(パピヨン)』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『彼女(エル)』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『甘ったるい話 残酷な愛』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『ヴァリアントの世界で』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『マリーの庭 [新訳]』[Kindle 版] (ロニー兄)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『ルクレツィア・ボルジアの亡霊の棲む家 [新訳〔セピア〕]』[Kindle 版] (メリメ)
・『ルクレツィア・ボルジアの亡霊の棲む家 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔モノクロ〕]』[Kindle 版] (メリメ)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔セピア〕]』[Kindle 版] (メリメ)
・『カルル十一世の幻視 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
・『トレドの真珠 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『イールのヴィーナス(地獄のヴィーナス) [新訳〔フル〕FDC 版]』[Kindle 版] (メリメ)
・『地獄のヴィーナス(イールのヴィーナス) [新訳〔フル〕]』[Kindle 版] (メリメ)
[以上の〈翻訳の電子書籍〉シリーズのラインナップのうちで、本邦初訳と思われるものをベータ版と呼んでいます]
■ 吉澤弘之(吉沢弘之)のそのほかの翻訳歴の一部:
・『世界を知るためのささやかな哲学』
(アルベール・ジャカール/ユゲット・プラネス共著、吉沢弘之訳、徳間書店)
・『フー・デル——ジャン=フランソワ・ジョンヴェル写真集』
(ジャン=フランソワ・ジョンヴェル著・写真、吉沢弘之訳、トレヴィル)
■ ブログ、ツイッター、カスタマーレビュー等で、私の翻訳について触れてくださった方々に感謝いたします。
[「死の蝶(パピヨン)」を含めた6つの短編からなるフランス短編小説のアンソロジー『6つの物語(メリメ、ロニー兄、モーリス・ルナール) [モノクロ]』[Kindle 版]も発売中です]
・目次等からの内部リンクに不具合が発生する場合があります。内部リンクに不具合があった場合は、申し訳ありませんが、リンクを使わずに、1ページずつページを動かしてください。
・これは、モーリス・ルナールの超短編小説『死の蝶(パピヨン)』(1929年)の、おそらく本邦初訳となる翻訳です(『死の蝶(パピヨン)』は文庫本で数ページくらいの長さです)。
・本書『死の蝶(パピヨン)』は、不定期に無料にする可能性があります。
[もし旧訳が存在する場合は、どうかご連絡お願いします。現時点での本書の訳文は、ベータ版とします]
【各巻末の「お知らせ」コーナーについて】:
・巻末の「お知らせ」コーナーで、私の〈翻訳の電子書籍〉シリーズ各巻(メリメのほか、ロニー兄、モーリス・ルナール)からの抜粋を並べてあります(今のところ、この「お知らせ」コーナーは、〈翻訳の電子書籍〉シリーズ各巻でほぼ共通)。
・作者モーリス・ルナール(1875年〜1939年)は、20世紀前半のフランスSFの代表的作家の一人ですが、この超短編『死の蝶(パピヨン)』は、SFというよりホラー風の作品です。
【読書案内】:
・モーリス・ルナールの本格的なSF小説『青禍』の翻訳(本邦初訳)が Kindle 版で出ていますので、この作家のSF作品に興味のある方は、ぜひお読みになってください。私自身は、『青禍』をお訳しになった神谷喬志さん(※)とは、残念ながら全く面識がないのですが、同じ原作者の作品の翻訳であるため、ここでご案内しておきます。
※ 神谷喬志さん自身のブログ「たかしの可動模型工房」では、モーリス・ルナール作『准神レルヌ博士』等々の翻訳も掲載されています。
■ モーリス・ルナール『死の蝶(パピヨン)』からピックアップ:
《垣根の曲がり角で、僕はヤコブス親方に気づいた。親方は、ミツバチの巣箱の前に立っていた。両手をポケットに突っ込んでいた。背が低いからこの人が親方にちがいないや、僕はそう思った。親方は、小道を歩いてきた僕の足音に気づいて、こっちに顔を向けた。おっかない顔つきをしているので、僕はびっくりした。そう言えば、親方の顔のことは母さんから聞いていなかったっけ、と思った。しかし、父さんが生きていたころには、ヤコブス親方はきっと、もっと優しい顔をしていたんだろうな、とも思った。
親方は、猫背で、顔色が悪く、鼻の一部が欠けていた。左目はつぶれていた。そして、とにかく顔つきが、いかにも意地悪そうだった。警戒心を抱かされると同時に、悲しみも感じてしまう顔つきだ。》
《虫は、大きな羽をひっきりなしにふるわせ続けた。脚がコルクに触れていた。突き刺さったピンが回転軸になって、蛾はくるくる回っていた。なんとかして飛び立とうとしているのだ。小型のコウモリほどもある大きな蛾だった。軟毛でおおわれた背の上に、どくろの模様がやけにくっきりと浮き出ていた。海賊船のどくろマークに似ている。ならず者のしるしだ。暗がりのなかで、二つの大きな目が光っていた。玉虫色に輝く二つの乳白色の石、といったところだ。 》
♯ 刊行後のバージョン履歴:
※ かっこ内の数字は初版と改訂版を合わせた通算の発行回数。
・ver. M b0.01 (1):初版[ベータ版]。このバージョン。
※ ご購入後に出た改訂版の入手方法については、Amazon に問い合わせてみてください。
お手数ですが、よろしくお願いします。
※ 目次は、この Kindle 本の巻頭と巻末の2ヶ所にあります。巻頭のはシンプルな目次で、巻末のは詳細な目次です。
【無料キャンペーンについて】:
・〈翻訳の電子書籍〉シリーズの中で、無料キャンペーンをする可能性があるのは、〈ショートショートひとつだけ〉のうちの一部です。
・無料キャンペーンはラインナップの充実と連動して考えています。ラインナップを充実させることが大きな課題です。
・『甘ったるい話 残酷な愛』、『死の蝶(パピヨン)』、『彼女(エル)』、『トレドの真珠』は、不定期に無料にする可能性があります。
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔モノクロ〕]』も不定期に無料キャンペーンする可能性があります。
・しかし、『カルル十一世の幻視 [新訳〔セピア〕]』と『カルル十一世の幻視 [新訳 プラス 対訳]』は、無料キャンペーンの対象外です。
■〈翻訳の電子書籍〉シリーズのラインナップ(2015年10月下旬現在):
・『無辺際への航行者たち——第1章』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『地球の死——第1章(砂漠を駆けめぐる言葉)』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『6つの物語』[Kindle 版] (メリメ、ロニー兄、モーリス・ルナール) [※ この『6つの物語』は、〈ショートショートひとつだけ〉の5作品と「カルル十一世の幻視 [モノクロ]」の合計6つの物語を収録した Kindle 本です。ただし、対訳版等は含まず、私自身による日本語の訳文のみです]
・『死の蝶(パピヨン)』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『彼女(エル)』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『甘ったるい話 残酷な愛』[Kindle 版] (モーリス・ルナール)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『ヴァリアントの世界で』[Kindle 版] (ロニー兄)
・『マリーの庭 [新訳]』[Kindle 版] (ロニー兄)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『ルクレツィア・ボルジアの亡霊の棲む家 [新訳〔セピア〕]』[Kindle 版] (メリメ)
・『ルクレツィア・ボルジアの亡霊の棲む家 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔モノクロ〕]』[Kindle 版] (メリメ)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『カルル十一世の幻視 [新訳〔セピア〕]』[Kindle 版] (メリメ)
・『カルル十一世の幻視 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
・『トレドの真珠 [新訳 プラス 対訳]』[Kindle 版] (メリメ)
〈ショートショートひとつだけ〉
・『イールのヴィーナス(地獄のヴィーナス) [新訳〔フル〕FDC 版]』[Kindle 版] (メリメ)
・『地獄のヴィーナス(イールのヴィーナス) [新訳〔フル〕]』[Kindle 版] (メリメ)
[以上の〈翻訳の電子書籍〉シリーズのラインナップのうちで、本邦初訳と思われるものをベータ版と呼んでいます]
■ 吉澤弘之(吉沢弘之)のそのほかの翻訳歴の一部:
・『世界を知るためのささやかな哲学』
(アルベール・ジャカール/ユゲット・プラネス共著、吉沢弘之訳、徳間書店)
・『フー・デル——ジャン=フランソワ・ジョンヴェル写真集』
(ジャン=フランソワ・ジョンヴェル著・写真、吉沢弘之訳、トレヴィル)
■ ブログ、ツイッター、カスタマーレビュー等で、私の翻訳について触れてくださった方々に感謝いたします。