昭和23年に好学社より刊行された釈迢空(折口信夫)の歌集『水の上』初版本を電子書籍化したものです。なるべく原本を忠実に再現することを目指し、函や表紙、扉などは画像として収めてあります。本文はリフロー型の電子テキストですので、語彙検索や文字サイズの拡大縮小、メモ機能・辞書機能などがご利用になれます。現代の読者の便をはかり、漢字は現在通用の字体に改めました。
『水の上』は、作者自ら「釈迢空短歌綜集」の第三冊に位置づけた歌集で、昭和5年5月から10年7月まで、作者43歳から48歳までの作を収めています。
青森恐山から鹿児島枕崎まで、民俗採訪のため全国各地を旅した折の嘱目、また日々の暮しの中から生れたさまざまの詠歎。歌境はいよいよ円熟味を増し、以前の歌集に比べて淡く平明ながら、心に沁みる哀れ深い歌が並びます。
やすらなる息を つきたり。大倭 山青垣に 風わたるなり(大神神社)
吹き過ぐる風をしおぼゆ。あなあはれ 葛の花散るところ なりけり(鹿籠の海)
海の音 聞えぬ朝か。わかれ来し肌にさはりて、寒きたなそこ(品川)
思へどもなほ あはれなり。死にゆけば、よき心すら 残らざりけり(朝やけ)
Mizu no ue syohan bon densi hukkoku (Japanese Edition)
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