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    mousougaiden okinawahen (Japanese Edition)

    Por kimutaka nanami

    Sobre

    昨年の8月に『妄想編5』を出版したすぐあと、『妄想外伝』3部作のストーリーが同時に閃いた。

    『妄想外伝(009編)』
    『妄想外伝(沖縄編)』
    『妄想外伝(??編)』

    この3つの物語は、『妄想編』シリーズをよりパワーアップし面白くするためのスピンオフ作品という位置付けになり、これから書く予定の『妄想編6~』へとつながっていく。
    今回の『妄想外伝(沖縄編)』の内容は、前作『妄想外伝(009編)』の続編ではなく、『妄想編1』と『妄想編2』の間に主人公の俺が沖縄で経験することを描いたものだ。
    前作でほんの少しだけ登場してもらった本地権蔵(ほんじ・ごんぞう)とテンが今回の作品の前半に登場し、後半には正体不明の超絶美女アンドロイド・焼火箸瞳(やけひばし・ひとみ)が肝高の前に姿を現す。
    彼女たちはこれから描く『妄想編6~』にも登場してくる予定で、内容はまったくの未定だが間違いなく物語の楽しいキーマンとなる予感がしている。


    物語の中から少し抜粋してみよう。


    「ところで、テンは空を飛べんのか?」
    「飛べるでぇ」
    「テンちゃんみたいに飛ぶんか?」
    「ああいう感じじゃなくて、行きたいと思ったところにススッ~と行けるんや」
    「それって、瞬間移動のこと?」
    「そう、それそれ。しゅんかんいどうや!」
    「ははっ、すごいなぁ。その瞬間移動ってのを、俺に見せてくれよっ」
    「見せへんしぃ~~」
    「なんでだよぉ」
    「その“しゅんかんいどう”をした後は疲れて眠ってまうからな」
    「ほぉ~~」
    「ぜんぜん信じてへんやろぉ」
    「ははっ・・・・・」俺は小娘との他愛もない話に笑いながらも、少し前から目の前のオセロの勝負がすごく気になっている。これまで誰にも負けたことのない俺の心がざわついているからだ。(こいつ・・・・・・)
    「角(カド)を、もらうでぇ」テンが何気なく俺に向かって予告する。
    「マジかよぉ・・・・・・」

    「・・・俺の負けだわ・・・・」俺はショックを隠し切れずに、茫然としてつぶやいた。
    「粗忽も、けっこう強いけどなぁ」
    「テンは凄いよ・・・・・」
    「それほどでもぉ~。おしりプリプリぃ~」テンが俺の凹んだ気持ちも知らずに、クレヨンしんちゃんの真似をして小さなケツを半分見せて横に振る。トラ猫のマキとサキがそれを見て小さくあくびをした。
    「ふ~~っ(参ったねぇ~)」
    「どうだ、テンは強いやろ?」権蔵がニコニコしながら口をはさむ。
    「あぁ、すごいな。権蔵も強いのか?」
    「俺は弱すぎて相手にしてくれんよ。ははっ」
    「粗忽は、なかなか強かったで」テンが小さなケツを服に仕舞いながらとんでもなく軽い調子で言った。
    「そいつぁ~どうも、だな。でも、コンピュータ・オセロには勝てないだろ?」
    「半分半分やな」
    「えっ? それって、テンが世界一強い人間ってことを意味するんだぞ」
    「そうや」
    「・・・・・・・」
    「でもな、コンピュータ・オセロはつまらんよ。コンピュータは、つまらん勝ち方をするんや。この気持ち、粗忽なら分かってくれるんちゃうかなぁ~」
    「・・・・・・・・・・」俺はすぐに言葉が出てこない。そして、鳥肌が立っている。テンが言おうとしていることが分るような気がするからだ。ものすごく大切なことを何気なく話しているこの小娘はいったい何者なんだ。

     琉球煙草の《うるま》に火を着けた。俺の手は少し震えている。

    「徹底して効率良く、速く、間違うことなく、失敗することもなく、寄り道することもなく安全が確実に確保され、予防が徹底されている。そんなやり方をして何が楽しいんやろなぁ」権蔵の口調が少し熱を帯び、テンの言いたいことを代弁する。
    「本当だよな」


    ・・中略・・


     権蔵とテンとは、一週間の楽しい時間を過ごして別れた。目に涙を溜めながら、「私たちは、また会うんやでぇ」と声を震わせるテンの髪の毛をクシャクシャにしながら、「あぁ、また一緒に遊ぼうな」と俺は言ってバイクにまたがった。2匹のトラ猫マキとサキがバイクの上に飛び乗り俺の体を一周してから飛び降りる。俺の姿が見えなくなるまで手を振るテンの小さな姿がバックミラーに映っていた。

     梅雨の晴れ間の青い空が広がる中、風を切ってバイクを走らせる。130キロで走る俺のバイクのバックミラーに、少しずつ近づいてくるバイクの姿が映って見える。30秒ほどで “ヤツ”は俺を追い越して俺の前に出た。
    俺と全く同じオフロードバイクに乗っているのは女性だ。ヘルメットから僅かにはみ出した黒髪が風に揺れ、カーブを曲がるたびに形のいい丸いお尻が左右に動く。突然の展開に俺は少し驚いたが、ある意味この“パーフェクト”な状況以外には、他にはもう何もいらないという幸せな気持ちになる。バイクのガソリンがなくなるまでこのまま彼女と一緒に、彼女の後ろで走り続けていたい。

     彼女が左側のウインカーを点滅させて俺に止まって欲しいとの意思を示すが、そんな彼女のバイクを逆に俺は追い越し、俺について来いと左手で前方を指し示す。彼女の前を走ることに俺は舌打ちをしながらも、俺が行きたいと思い浮かんだ場所を目指して走った。
     しばらく舗装された県道を高速で突っ走ると、頂まで牧草地となった小高い山が前方に見えてくる。バイクのスピードを緩めて県道から狭いオフロードに入り、パイナップル畑の中の一本道をゆっくりと登っていく。小高い場所から見る海は、パライバトルマリンの欠片を無数に巻き散らかしたかのような奇跡の色をしている。

    パイナップル畑が終わり放牧地に入るゲートの脇をすり抜けて、さらに上に向かう。そこから200メートルほど進むと僅かばかりの平坦な場所が現れ、俺たちはそこでバイクを止めた。
     ヘルメットを外した彼女を見て、俺は腰が抜けそうなほど驚いた。スタイル抜群なだけではなく、目の覚めるような超絶美女が目の前で俺を見つめていたからだ。

    「粗忽ちゃん、やっと会えたわね」
    「粗忽ちゃん?」
    「別の呼び方のほうがいい? 肝高七味、さん」
    「・・・・・・・・」

     俺はゴールデンバットの箱から煙草を一本取り出し、彼女の明るく美しい目を見ながらゆっくりと火を着けた。

    「この状況って、訳分かんない展開よね」
    「あぁ、まったくだな」
    「夢の中にいるみたいでしょ? 自分と同じバイクが突然登場するし、ヘルメットを外したら凄い美人だし、その凄い美人が自分の名前とペンネームを知ってるし・・・・」
    「ぜんぶ、正解っ!」
    「私が何者なのか知りたい?」
    「すごく知りたい。無茶苦茶知りたい」



    まぁ、こんな感じの物語です。楽しんで読んでみてください。
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