《クラスメイトの女の子の、セーラー服の襟をうしろからつかむのが好きでした。それは女の子という茎に咲いた花びらのようで、けれども花びらのように簡単に、茎から切り離すことはできないのです。ぼくにそういうふうにされた女の子の反応はさまざまでした。くるりと振り返って含みのある目交ぜを返す子もいれば、ぱしんとぼくの手をはたいて睨みつけてくる子もいる。そんななかにあっても、幼馴染の椎名純の反応は、きわめて特異なものだったと言えるでしょう。
「信ちゃん、こんなことしないで、着てみたらいいのに」
セーラー服の襟をつかむという行為が天動説的なものならば、その発言は、いわば地動説的なものでした。》(本文より)
namidaboshidoronohana nekohaidarake (Japanese Edition)
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