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    Nihon arupusu no suisei (Japanese Edition)

    Por Ryo Taniyama

    Sobre

    日本海から太平洋まで、日本アルプス踏破を目指す若き女性単独行者。三十キロの重荷。天幕。彼女を駆り立てたものは何か。そして、真夏の三千メートルの稜線に燃え上がる恋。深宇宙からやってきて、夜空いっぱいに尾を曳く大彗星は何を示すのか。山岳シーン99%。心ゆくまでお楽しみください。

    この物語を書くきっかけになったのは、一九九九年に、天幕、単独で日本横断に成功した実在の女性の記録でした。私はこの方にお会いして感激し、ワインを傾けながら長時間インタビューさせていただき、彼女の手記も見せていただいて小説の構想を練りました。ほどなく、初稿を書き上げたのですが、すぐには出版できず、一〇年以上も眠っておりました。
    二〇一四年四月、日本海と北アルプスを繋ぐ栂海新道を開拓した小野健さんが亡くなり、多くの山岳ファンを悲しませました。小野さんにたいへんお世話になった筆者としては、追悼の意味も込めて、今、このつたない小説を世に出すことを決めました。

    この物語は、一九九〇年代の日本アルプスの情景を、筆者自身が歩いた経験を元に描いています。ですから、二〇一四年現在とは、山の様子が異なる部分がありますことを、御了解ください。たとえば、物語で重要な出来事が起こる仙丈岳カールのテント場は、今はなくなり、かわりに立派な山小屋が建っています。赤石岳避難小屋も、有人小屋になり、とても綺麗と評判です。百間洞山の家も立派に建て直され、もちろん戸はきちんと閉まります。縞枯山荘の名物オヤジも、息子さんに代を譲りました。

    ともあれ、往年の山男山女も、現役の山オヤジ山ガールも、山岳シーン99パーセントの谷山稜の小説を楽しんでいただけましたなら、この上なき幸せです。

    山はいつも、人の生き方を教えてくれる!
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