◉この病気は本人が自分は正常であると思い込んでいるところに特徴がある——
ある婦人雑誌の編集部で働く〈わたし〉を含む正社員と嘱託のコラムニストたち。夏になると決まって下痢に悩まされる〈わたし〉は、言動が次第におかしくなっていく同僚のコラムニストを、病気ではないかと疑いはじめる。最初は病気を否定していた仲間たちも、その異常さを認識しはじめ、ある日、国立大学病院の神経科へ連れてゆくことに……。「文學界」1967年3月号に発表。第57回・芥川龍之介賞候補作。単行本『笑い地獄』(文藝春秋・1969年)ほかに所収。
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◉後藤明生(ごとう・めいせい)
一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。在学中の一九五五年、「赤と黒の記録」が全国学生小説コンクールに入選、「文藝」に掲載。卒業後、博報堂を経て平凡出版に勤務。一九六二年、「関係」で文藝賞佳作。一九六七年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。一九七七年、『夢かたり』で平林たい子文学賞、一九八一年、『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、一九九〇年、『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。一九八九年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。一九九三年より同学部長を務めた。一九九九年八月二日、逝去。
Ningen no byouki Goto Meisei denshisyoseki collection (earlybird books) (Japanese Edition)
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