人間の証明 (同時収録:高層の死角) 298ページ
1980年代の後半から1990年代初頭にかけて森村先生はヒット作の申し子として、K書店の看板を背負って日本はもとより世界にその名をとどろかせていました。先生の大ファンでほとんどの作品を読破していた私は、先生の作品を女性誌で描きたいと切望して、思い切って先生に私の作品集を送りお願いしてしまったのです。今考えると大胆で向う見ずなとんでもない行動で、思い出すたびに息が苦しくなります。そんな私に先生が言ってくださったのです。
「君の作品は面白いよ。ぜひ僕の作品を描いてください。」
私は有頂天になってその後多くの先生の作品を描かせていただくことになりました。先生とのご縁をいただけたことに深く感謝して日々を過ごしています。
「人間の証明、高層の死角」がH社から単行本として発売された時、先生から帯用のコメントをいただきました。ご尊敬申し上げる先生に心からの感謝をささげて、ここにその時の先生のコメントを掲載させていただきます。
森村先生のコメント(表帯コメント)
「高層の死角」「人間の証明」はいずれも私にとって忘れ難い作品である。前者はこれによってプロ作家としてスタートし、後者は私の全作品の中最大のベストセラーとなった。
この両作品がなければ、私は今日作家になっていなかったかもしれない。
この作品を井出智香恵氏がレディスコミック化してくださった。私の作品世界が井出さんによってさらに多数の女性読者に架橋されることは、大変うれしく光栄に思っています。小説とコミックはもとより異なる世界であるが、井出さんの大胆かつ才気あふれる画質は、原作を超える魅力を創出している。私の原作を踏まえているとは言うものの、これは全く新しい作品であり、井出ワールドの未知の地平を切り拓くものといってよい。
―――森村誠一
井出智香恵のコメント(裏帯コメント)
森村先生の作品を描く時、私は必ず一種の媒体熱病にかかる。先生の作品群の中の圧倒的な物量感と豊富な知識、非情ともいえる人間悪の追求とトリックとどんでん返しをいかに媒体にして、面白く読者に伝えようかというパッションに浮かされてしまう。けれど、それは20年来慣れ親しんできた先生の作品の醍醐味を描くためには当然の情理。
愛の神髄をこの上なく激しく昇華させた「高層の死角」、さらに「人間の証明」は描きながら泣き続けてしまった。あなたが人間なら、女なら、そして母なら、必ずや何かを感じていただけると信じ切れる出来上がりになりました。レディスコミック作家として先生の代表作をこういう形で読者の皆様にお届けできることは最高の喜びです。
――井出智香恵
NINGENNOSHOUMEIKAISHUUBAN: HOKAIPPEN (Japanese Edition)
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