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    nousocchukaranokikanookinakisekihachiisanatsumikasanekara (Japanese Edition)

    Por HigakiTakashi

    Sobre

    患者が書いた奇跡の回復法――脳卒中「超」完治は夢ではない

    なぜ、脳卒中「後」長期入院した患者には地獄が待っているのか。病院でのリハビリ依存を退院時にやめ、人生の主人公を取り戻す技術は、実は患者だけのものではない!
    世界初の脳梗塞入院全記録をドキュメント化した著者が、最前のリハビリ活用術と、楽しく充実した、また人の役にも立つ人生を、従来の旧態依然からは隔絶した文字とおりの奇跡を毎日起こし続ける技術を満載。
    このスキルは、サラリーマンにもプロジェクト必勝法となるーー不思議!


    【目次】

    まえがき
    突然また、倒れてしまいました
    老いも若きもメモ!
    脳梗塞は意外に怖い。意外ではないか(笑)。笑うとこでもないね
    「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」 byホスピス医 小澤竹俊氏
    「白衣の天使」との別れもまた
    決断は早く、早く
    厚労省役人はお目々覚まそう
    読む力
    よく効くクスリの副作用は怖い
    もう伸びないのか、我が後遺症改善
    「里芋は重い」話
    存在の耐えられない重さ
    プロとは何者か
    高級ナースウォッチ(笑)
    ありうることは起きる。ありえないことも起きる。人生いろいろ。
    即死より怖い再々発
    天声人語を優秀な小学生が書いているという説について
    皮肉と失言とウソかマコトか
    贈る言葉
    世界一難しい訓練
    本日、仮釈放へ
    母の日に。これぞ!
    シャバは厳しいけれども
    「要介護3」は外出もありえないことなんだって
    駅の長ーい階段を紳士が這う
    回復期「最大6カ月」の国民的ウソ
    入院中に頑張るのはわりと簡単だった。治ると思ってたからね。
    愚痴は言わないっ
    本当に這ってたんだ
    初めてのプール
    海洋から人類が誕生した説
    失って初めて、動き、表現が見えてくる
    這って訓練――明日からロシアに独り旅へ
    海外旅行のドキドキ
    旅の有無でなく
    泣き面に蜂
    階段が降りられない人は多数派
    記憶回復増強法
    「利き手」交代のとき
    あれから1年が経つ
    カジノで再デビュー(>_<)
    挑戦 「既知なる未知」の世界へ バカラ編
    高次脳機能障害なんのその!
    あとがき


    【立ち読み】

     6月1日 昨日も精密検査が続いていた。
     心配してくださるようなことはない。左脳の動脈が切れそうで、その場合は即死する程度の話である。

     日本を代表する脳外科医に先週から診てもらっているのだが、私はあらゆる角度から見てエスキモー(イヌイット)型だそうである。たとえばデンマーク人は、エスキモーの脳梗塞罹患率より100倍ほども多い。世界でエスキモーが一番、少ないのである。
     アトランダムに日本人を100名ピックアップしたとき、私はどのグループでも「最も罹患しない」ものになる――それほど危険因子がなかった。
     が、現実に発症した。なぜだ、という話になる。簡単に言えば、各種スポーツをグアム島の合宿で繰り返していた際(首を回した瞬間)頭蓋内動脈が骨に当たってしまった。
     習慣性でもなく(暴飲、コルステロールなど)、血圧その他にも問題が全くないうえ、糖尿や不正脈なども皆無である。
     それが改めて確認されたからどうだ、ということになるだろうが、意外と重要なのだよね。原因が特殊だから、今日を限りに命が終わるか、クスリも飲まなくていいか、両極端な診断が可能なのである。
     ベテラン脳外科医が集まって2週間、結論が出ない。昨日は、朝9時から検査と検証を始めた。あごの上あたりにあるマンモスの牙(きば)――人間にもたとえばシッポの痕跡と考えられる尾てい骨があるでしょ――のようなものが残っている。私の牙が7センチくらいあるとすれば、血管破損の説明がつく。というわけで、すくに検査をしたら何と、たったの2センチ。ううむ。
     次に、これも生まれて初めての脳内血管に造影剤を投入してのCT検査を――。技師いわく、「身体中が熱くなったり、頸部がものすごく違和感があったりしますが、それは大丈夫です。腕から入れる造影剤を身体が拒否すると何とか(聞き取れず)な場合は危険なので、すぐこのコールを押してください」
     この検査を来週に回していたら6日間くら~い気分になっていた気がする。即、頭蓋骨を開いて手術にもなるしね。
     それを「ついでに今日やっちゃいましょう」と、私にではなく家族に医師が言い、うっかり私は何が始まるのか知らずに造影剤使用のCT検査が、今年9回目となるMRI検査などとともにやることになったのは、慶賀すべきことなのかなあ。とにかく肝要な検査が、最良のスタッフと環境のなかで3週間かけて行なわれ、その間にもリハビリやら入院先であった病院にも行くなど、いろいろとある。その日も朝8時半にタクシーで出て、再びタクシーで帰ってきたのは12時間後だ。
     みなさま、この費用どうされているのでしょう?
     タクシー代が介護保険で出ることはありえない。介護保険は、ずっと寝ていろというコンセプトのもとに作られている。

     脳が忘れている歩き方も大幅な再構築があり、半年弱で4種の装具(歩行の補助具)を作ったおかげで、良くなった歩行を装具が妨害してしまう、という難点を逃れた。
     この装具は、医療保険の対象にはなっているのだが、2年に1足しか作れない。大切な足のために、20万円や数万円程度(改善するたび軽微になり、安価になってゆく)は出し惜しみする場合ではない気がする。が、98%は保険内で、とんでもない代償を払って(脳の可塑性は抜群であるのに、それを押し殺してしまう)倹約優先している事態をリアルに見ると、治るものも治らねえよっと素人でもよく分かる。
     500万円のロボ義足の検討なら迷うところかもしれないが、4万5000円の装具を2年(!)も待たず「今、必要な時期」に少々無理しても――ていうか普通の紳士靴だって7万円はするのだ。話がややこしくなるから、7万円が普通というのはここでは控えておくけれども、大事な足の回復局面で4万5000円を倹約するか、大半が。
     日本は豊かな国では、もうないのか。

     忙しい秒単位の検査を病人にしていいのか(笑)とは思いつつ、付き添いとすぐ(帝国ホテル近くの)宝塚へ。半年ぶりだ。

     舞台の上の華やかな世界と、客席の不細工が対照的で楽しい。1500人の客席で、ツエを使っている人は5人。大きな階段やエレベーターは良いのだが、客席には手すりはなく、這い登る気配であった。みな、不細工にしては心の暖かい人たちばかりなので(口が悪くなったのは高次脳機能障害か)、1500人のなかで「5歳から宝塚を観て育った」身体が半端なおっさんに通路も譲ってくれる。

     これなら、映画館も、いけそうだ。病前はクルマで3本ハシゴをみたいな映画の見方をしていたのだが――いつもギリギリ――これからは、あんな暗闇で、しかも階段だらけ、人だらけのなかを歩くのは無理だろうと思っていた。この病気になった先輩たちは、映画? 競馬? 宝塚? ブロードウェイ? という感じだ。

     趣味は、どうでもいい。
     行政に正しいことを求めたら確実に死ぬのが先だ。愚痴をやめて、今日を限りの命が知れないのだから、たくさん動こう、と思うのである。


    《あとがき》

     昨年の今ごろ、私は絶望感さえ失っていた。数百数千のことができなくなっていたのに、喪失感がない。
     むしろ毎日言われたことを、きちんきちんとやるだけで精一杯だった。だから、不安がまったくなかった。1ミリも不安がない――なんだか変だ、という認識はあったのを思えている。

     この1年、私を差別し蔑げすんだ人を忘れはしない。大きな約束を、私の状態を見て平気で反故にした編集者は、ここまで醜くなれるのかと、同じ業界にいるものとして恥ずかしくは思った。いつか復讐は遂げて差し上げようとも思うが、もちろん業界のためだ。
     いまは、すべてを顧問弁護団に任せ、私は私にしかできないことを少しずつ遂行するのみである。

     何もかも絶望的、という状況がありうるのだろうか?
     投げやりになっているだけだ。しかも、投げやりになれるほど元気なんだよなあ。
     これ以上、悪いことは起きない、と考えている人はアレかもしれない。
     5年3カ月前に同じ脳卒中になった神足裕司さんの、トークショーが1週間前にあった。今年7月にコータリンは入院したという。内臓が「ぐちゃぐちゃ」と医師団にいわれるほどの癌。彼はいまも執筆に執念を燃やし、少しも諦めていない。
     そんな姿が、我々を励ましてくれる。我々が彼を励ますのではない。びっくりだよね。

     恥ずかしげもなく言えば、私はものすごく努力をし――これまでにこんな努力をしたことはない――、各種療法士20名との関係もすこぶる良い――私は素直なリハビリマンであり患者である――。
     常にいくつかの目標を立て、数カ月単位でできるようにしてきただけではない。
     以前は冗談で言っていたことが、現実になった。

     たとえば利き腕でない左手は、スーパーレフトハンドと言っていいかと思う。誰もそうは言ってくれないけどね。箸も、パソコンも、いまこの原稿を書いているのも、ボールを投げるのも、かつては考えられない強さになっている。
     右脳の躍進にも驚かされる。負けるのは確実と思っていたカジノのポーカーとバカラで、以前より簡単に状況や流れがつかめたことにはっきり気づいた。
     (後略)
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