十六歳の夏、阿部茂は、アメリカ北部へ留学する。国道113号線の走る田舎町で3軒の中流家庭に滞在し、公立高校へ通う。発音をマスターできず、同級生との距離を縮められない。留学前の誉れ高き自分が妄想だったのを自覚しながら、一日々々を重ねていた。
体育の授業で使うロッカーがロックされる事件が起きる。茂は、雪を踏みしめながら、嫌がらせを押し返す。興味を抱いたリンダが、深雪の山荘へ誘う。彼女の計り知れなさに戸惑いながら、茂は受け入れがたい朝を迎えた。
春のテニス・チームに加わった茂は、チーム内ナンバー・ワンを、ジェイクと争う。夏が近づき、ジェイクは、卒業パーティーへの同行を承諾する。会話や行動の断片から、茂は、彼が彼なりに自分を見続けていたのを知る。
十七歳の夏に帰国する。教師に求められて、教室でスピーチをする。クラスメートの感想は、聞き手にわかるように話していた、というものだった。
One Thirteen (Japanese Edition)
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