Paris Monochrome01 (Japanese Edition)

パリに住んで３０年近くになる。少し前までは、パリの冬は暗く長く、わずかに差し込む光を希望の光のように眺めていた。
暮らし始めて時がたつうち、いつのまにか気候が変わり、冬でも太陽が顔を出すようになった。
パリの冬に色が感じられるようになったのだ。３０年前も現在もパリは美しいまま変わらない。
自分自身の時間の流れを止めるために、モノクロームで表現したく思った。
色があると時代や時間を感じてしまうからだ。
時を超えた永遠のパリ。
そんな街の姿を感じとっていただければ幸いである。

武田正彦