phirosophy of sports trainer: theory of sports and athletic trainer (Wild Physical Fitness Laboratory) (Japanese Edition)

スポーツトレーナーという人と初めて接したのは、私が、まだ20代初めのころである。腰の筋肉が猛烈に硬くなり、動けなくなったためリハビリと体力作りの指導を受けたのだが、当時では草分け的アスレティックトレーナーであったその人は、ただひたすらハリ治療をするだけで、原因についても解消法についても、なんら正しい処方を示すことができなかった。これでどうやって売り上げをあげているんだろう、と一時、疑念を感じたが、当時高校野球の投手らしい大男が、現れ、肩の障害を持っていたのが、だいぶよくなり「この間、完封しました」と報告したのを見ていたので、はっきりした外傷がある場合トレーナーさんは、かろうじて仕事ができるんだな、ということが理解できた。そのころから私はトレーナーたちの能力に,もやもやとした疑念を持ちつつ生きてきた。そして自分自身が、同じ世界で仕事をするようになり、その疑念は、すぐに確信に変わったのである。そのピッチャーショルダーさえも、生じる人と、生じない人とがいるので、これはもっと根源的に原因があるのだが、そのような原因には、とんと無頓着なのがトレーナーなのだ。世のトレーナーさんは正しい知識を持たずに仕事をしているということである。自分が何をしているかもわからずに仕事をしている人もおり、世に流布する資格制度も、ほぼ効果を上げていない。本書は生命科学から説き起こしてフィジカルトレーナーたるもの、どのような教養を身につけなければならないかを分かりやすい文言で、まとめたものである。