本書は、築地小劇場が1924年から1929年までに行った約90公演の内容と解説の一覧です。なお、約70枚の上演およびポスターの写真も収録しました。
本書を編纂したきっかけを「あとがき」から抜粋します。
私は20世紀前半の近代劇に強い関心があります。そのつながりで、いつのころからか築地小劇場がどのような劇を上演していたかを知りたいと思うようになりました。それぞれの劇や劇作家について簡単な解説を加える作業を通して、小山内たちが目指した演劇の実体をより鮮明にしたいと考えたのです。そんな気持ちで作業を進めると、視野がどんどん広がっていきました。調べれば調べるほど、原作の劇や劇作家だけでなく、築地小劇場の演出家や俳優や劇関係者についても知りたいと思い、彼らの略歴も追うことになりました。このような作業の結果出来上がったのが本書です。編者である私も驚いているのですが、予想以上にすばらしい本が出来上がりました。当初の目標は、公演内容の簡単なハンドブック的なものを作成することでした。ところが、ハンドブック以上のものが出来ました。この本を読めば、築地小劇場の全体像がつかめます。当時の時代背景やヨーロッパ演劇界の動向、そして、それらの劇と悪戦苦闘した大正末期の演劇人の息吹にも触れることができます。解説が比較的短い一つの講演の例を以下に示します。
帝劇第5回公演(1928. 7/26~7/30) 坪内逍遥翁戯曲全訳完成記念
『真夏の夜の夢』シェイクスピア作、メンデルスゾーン作曲、坪内逍遥訳、小山内薫・青山杉作・土方与志演出、南建真(シシヤス)、東屋三郎(イイジャス)、伊達信(ライサンダァ)、近衛秀麿音楽指導、松平佐登子合唱指導、岩村和雄舞踏指導、吉田謙吉装置、和田精効果、水品春樹監督
※「『真夏の夜の夢』は Masque として書かれた。Masque というのは貴族の婚礼に使う為に催される芝居である。従って作中目出たし目出たしの結末が多い。『真夏の夜の夢』を上演するに当って、この祝祭曲の精神をどこまでも忘れてはならない。演出に就いても、演技に就いてもこの心持でする。台詞も舞踏の精神で遣るのである。」(『小山内薫演劇論全集Ⅲ』288頁)
Plays Performed at Tsukiji Little Theatre: List of Performances at Tsukiji Little Theatre (Japanese Edition)
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