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    Saigyou (Japanese Edition)

    Por Kazamaki Keijirou

    Sobre

    花を愛し月を愛でつつ諸国を行脚する放浪僧――といった中世的な西行伝説を否定して、錯綜した時代・社会の中に新たな西行像を描くことを試みた、戦後国文学の記念碑的著作です。
    裕福な豪族の御曹子という恵まれた境遇を捨てて出家し、社会的身分としては一介の凡僧に終った西行は、歌人として歴史に巨大な足跡を残しました。それはなぜ可能だったのか、そして彼の実像はいかなるものだったのか。透徹した文学史家の眼によって、西行が属した社交圈、またそこにおける彼の「存在形態」を明らかにしつつ、平安末期社会を生き抜いた生涯を鮮やかに描き出しています。
    「日本文学史の正しい把握のために、倫理の社会史や、人間の存在形態の社会史が、われわれに必要であることを感じないではいられない」(本書)とする文学史家風巻景次郎の、社会史的評伝の一達成と言えましょう。

    本作は角川選書の『西行と兼好』(昭44刊)に収録されて世に広まりましたが、誤植が少なくなく(例えば126p「竹谷床」は「竹谷庄」の誤り)、また用字などを大幅に置き換えてあって(例えば104p「英明」は原本「叡明」)、著者の真意を相当に損ねていると言わざるを得ません。本書は昭和23年建設社刊の初版本をもとに、忠実に電子書籍化したものです(但し現代の読者の便をはかり、仮名遣は現代仮名遣に、旧漢字は新漢字に改めました)。

    本文はリフロー型の電子テキストですので、語彙検索や文字サイズの拡大縮小、メモ機能・辞書機能などがご利用になれます。

    目次より
    一、西行は名門の豪族であること
    二、俵藤太秀郷流佐藤氏一門のこと
    三、秀郷流同族が源平二氏に劣らぬ武門の名流なること
    四、かかる名流も京都社会では頗る門地の低かったこと
    五、西行もまたそのことに甘んじた人間の一人なること
    六、西行の系図上の諸々のこと
    七、西行の身分はその一生に影響していること
    八、佐藤氏一族は源平二氏と性質を異にすること
    九、西行の京都に於ける関係社会徳大寺家のこと
    十、西行は宮中関係に於ても徳大寺の影響下にあること
    十一、その外西行の容れられる範囲に限界のあること
    十二、歌界の大家等は西行を相手にしなかったこと
    十三、右の諸点を考に入れて見られた西行一生の輪郭のこと
    十四、西行伝の示唆する時代・社会上の特質のこと
    十五、西行の創作と生活とは長く私的で閉鎖的であったこと
    十六、公開された西行の詩人的内面のこと・恋愛歌秀抜のこと
    十七、西行の無上の讃嘆は人としての此の世の在り方に関っていること
    十八、結びの言葉のこと
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