円高と年功序列の結果、日本の事務職の人件費は諸外国と比べて高くなりました。アメリカならコンピュータがやる仕事を、日本では今だに人手でやるためコストが下がりません。OECDの報告によれば、日本の時間あたりの生産性はアメリカの3分の2となっています。日本にはサービス残業という統計に表れないタダ働きがあるので、それも考慮すればアメリカの半分というのが妥当です。
日本が導入しようとしている「ホワイトカラー・イグゼンプション」には大きな問題があります。それはアメリカと日本で労働形態がまったく違うのに、結果だけを真似しようとしている事です。それは単に残業代がなくなるというような枝葉の問題ではありません。かつてこの労働形態の違いを無視して導入した「成果主義」が失敗したように、前提となる労働の仕組みを変えずに結果だけ真似しても「ホワイトカラー・イグゼンプション」は失敗します。
筆者はアメリカのシリコンバレーで25年以上現地の複数の会社に勤めてきました。その結果分かったアメリカと日本の労働形態の違いをお知らせするのがこの本の目的です。成果主義の裏側にあるこの違いを知ったうえで、日本がどの道を選ぶのかは皆さん次第です。
目次
はじめに
労働形態の違い
目上目下
限定社員
360度評価
コンピュータ
夏時間
日本の選択肢
おわりに
著者 まさ はぶ
1958年東京生まれ。1981年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業。日本で6年働いたあと1987年に渡米し、南カリフォルニア大学でコンピュータ・サイエンスの修士号を取得。その後シリコンバレーでHPやeBayなどハイテク企業4社に勤める。
Seika Shugi No Zentei (Japanese Edition)
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