三十年ぶりに現場に返り咲いた鬼田権造安徳銀行元頭取と、関東指定暴力団「月菱会」の武闘派、東田尚毅による大規模東西抗争が、下北沢の地で勃発する。
下北沢駅を沿線に有する電鉄やディベロッパー、ゼネコン、銀行により「下北沢地区再開発組合」が結成され、新たに建設予定の巨大複合施設「下北沢ヒルズ」を巡って住民との間で激しい抗争が繰り広げられていた。
駅前商店街の土地を管轄する「月菱会」が反対運動を激化すると、見かねた再開発組合は最後の切り札として安岡都市銀行元頭取の鬼田権造を特別顧問相談役として迎え入れる。表向きは相談役の鬼田だが、影でヤクザ組織「東和会」を牛耳る金融フィクサーであり、鬼田は月菱会を中心とした抵抗勢力を排除しにかかる。
鬼田はまず、再開発に反抗し月菱と癒着のある林田区長を殺害、さらには下北沢出身の俳優太宰雅彦や所属プロダクション社長を凌辱する。一方で月菱会若頭の東田も負けじと反抗姿勢を貫き、遂には鬼田の側近であり安岡銀行経営統括室の中津川を殺害する。東田はさらにマスメディアを介して銀行と東和会の癒着の実態を暴くと、それに激昂した鬼田は住民に対し半ば強行的に立退き要求を敷き取壊し工事を開始する。
一方、下北沢で雑貨店を営んでいた玉山、琴崎、さらに画家志望の江成は、再開発により店や自宅を奪われ、再開発に反抗した住民諸共、拘留されてしまう。拘留生活は想像を絶するほどに厳しく、終に三人は脱出を企てる。
拘留先の猿島から脱出した三人と月菱会は、一面更地になった下北沢駅前を見て愕然し、最後まで工事を逃れた豊田劇場に立てこもり、鬼田らに最後の抵抗を企てる。
豊田劇場地下深くには太平洋戦争末期に製造された八十トンもの弾薬と、時価総額一兆円ともいわれる秘密資金「M資金」が眠っており、東田は最期、弾薬に火を点け、自らの命諸共、長きに渡る大規模抗争を終焉させる。
shimokitazawa hills (Japanese Edition)
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