(まえがき より)兵庫県立長田高等学校。2人の共通点はその高校に通っていたということだ。神戸市長田区にあるその県立高校に、私たちは3年間通った。個性的な生徒が集まり、個性的な教師がいた学校。しかし学年も異なるため、高校在学中、私たちはお互いを知らない。
この「掌編エッセイ‐コンチェルト」は、その同窓生である田中直美さんと楳谷秀喜が、たまたま東京で知り合い、通信制の文章教室である「朝日カルチャーセンター」文章教室・練成コースに提出した短いエッセイ文を収録したものである。毎月出されるテーマに沿い、同じテーマでそれぞれに短い文章を書く。そこに連携はない。800字または1600字という制限がある課題を提出し、別々の講師に添削をしてもらう。
そのようにして書かれた掌編は、ある月は2人ともが提出し、ある月はどちらか1人しか提出できていない。詳しく言うと、提出してもここでは公開できなかった文章もある。それらを、2015年1年間の時系列そのままではないが、他の年のものも含め並べたものがこの掌編集だ。同じテーマで書いても、2人が書く内容が似通うことはない。
この「まえがき」を書いている楳谷は、拙い文章を添削してくださった練成コースの大塚講師に深謝しなければならない。さまざまに指摘を受けたこともあるが、一方で感想だけが書かれた添削が戻ってきたこともある。しかし毎月ある締切日に文章を提出するというのは、意外に苦しいことでもあり、講師の方々の添削がなければ到底続かなかったと思う。
また、この文章教室を受講してみたらどうか、と勧めてくださった共著者・田中直美さんにも御礼を申し上げる。私の他の長い小説においては、彼女はあたかも編集者として何年間も温かくも厳しい目で私の文章を添削し、批評してくださった。この一年間の掌編集が私たちの私的エッセイだとしても、ある時代の空気感を共有し、それを切り取ったものだと感じていただける読者がいれば、幸いに思う。
Shohen essay concert (Japanese Edition)
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