ことばの本質は創造にあるという言語観に立って、従来の文法理論における品詞を見直し、日本語の真相を明らかにする小論シリーズ「創造的日本語論」の第一弾です。
通説では、動詞は自動詞と他動詞にわけられることになっています。自動詞と他動詞の区別は、英語などのヨーロッパ語では目的語(相当語句)を直接にとるかどうかという形式上の違いなのですが、日本では対象に作用をおよぼすかどうかという意味の違いだと誤解されていて、国語辞典もほとんどが日本語のものもヨーロッパ語のものも一緒にして説明しています。
本書はこの誤解を出発点として、日本語の自動詞と他動詞の問題を明らかにしていきます。辞書は他に作用をおよぼすのが他動詞で、およばさないのが自動詞だと定義しながら、「攻撃する」を他動詞、「反撃する」を自動詞と判定しています。どちらも他に作用をおよぼす意味であることに変わりはなく、定義を厳密に当てはめるなら、どちらも他動詞になるところです。その一方で、他に作用をおよぼさない「見る」などは他動詞だとしています。自動詞と他動詞の違いを意味における区別だといいつつ、助詞「を」をとるか、「に」をとるかという形式的な区別も基準にしているのです。しかし、日本語の動詞は、「あく」と「あける」のような対のある一部の語をのぞけば、他に作用をおよぼすかどうかを基準にしてきれいに分類できるようにはなっていません。
「あく」と「あける」のような対のある語も、他に作用をおよぼすかどうかの違いなのかと問い、あらためてよく調べると、ここにも大きな誤解があることをがわかります。もっと重要な違いがほかにあるのです。それを考慮に入れて、現象動詞と行為動詞とに分類すると、日本語の動詞の特徴が鮮明に浮かび上がってきます。
ページ数はアマゾンの商品説明では24ページになっていますが、一般の四六版の単行本に多い、1ページあたり17行、1行あたり40字の体裁で35ページになります。
Souzouteki Nihongo Ron 1: Jidoushi to Tadoshi (Japanese Edition)
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