Study and practic of desert greening by mangrove plantation (Japanese Edition)

砂漠は水さえあれば緑になる。アブダビ首長国は砂漠緑化のために巨大な造水プラントを運転して砂漠を緑化いるが、年間降雨量100mm以下の砂漠では造林した緑は石油資源の枯渇する200年程度で確実に消え去るであろう。砂漠緑化に真剣に取り組んでいるアブダビ首長国の姿勢は水と緑資源の豊富な人々には際限のない浪費にしか写らないであろう。砂漠に森を作り維持するには膨大な資財が必要である。石油のあるつかの間だけでも緑を手に入れたいと願うアラビア人の感情は緑と水に囲まれた人々にはとうてい理解しがたい。　水と緑は代価を支払って手に入れる貴重なものであるという彼らの意識に立てばアブダビの砂漠緑化を単なる浪費とは言えない。水と緑の永久資源を享受しながら、その重大さを認識せず自然破壊と汚染を広げている国こそ資源を浪費している。広大な砂漠を淡水で緑化して持続的に生産性を高めるには莫大な費用が必要である。マングローブ植林と水産養殖の組み合わせは砂漠緑化において経済的かつ持続的で無制限に拡大できる自然にやさしい手法であるが理解者は少なく実践にはほど遠い状況にある。将来砂漠を利用した農水産業開発のために本研究が役立てば幸甚である。