Sugisarisitokiwomotomete6Daigakuttesyakaittenandarou: Watasinotoudaitousou (Japanese Edition)

[概要]

私が大学で学ぶのは、私が生きるためだろうか？ それとも、社会が生きるためだろうか？ 人間の社会的存在を教える大学教育は、このような疑問をかならず生じさせる。学生は、学ぶことに先駆けて、この疑問に答えようとする。

大学は、私のためにあるのか？ 人間のためにあるのか？ 社会のためにあるのか？ それとも、社会の一部のためにあるのか？ 労働者のためにあるのか？ 資本家のためにあるのか？ それとも、独占資本の国家のためにあるのか？

社会は、個人と小社会が、種々の糸で結ばれる複雑系だ。言葉でもって、感情でもって、精神でもって、記憶でもって、社交でもって、契約でもって、利害でもって、結ばれる複雑系だ。だから、あらゆるもののために大学はあるのだ。

だが大学は、私が学ぶところだ。私の生を、私の心を、私の知を、学ぶところだ。私が私を学んで、私が私になるところだ。私が、大学という社会に、私自身を投げ出し、私を変えるのだ。私は、新しい私に大学でなるのだ。

[内容]

「大学の自治」、「大学の自治と学問の自由」、「大衆団交―学問の自由―」、「大衆団交―大学の自治―」、「近代合理主義に徹する国家」、「医局解散宣言」、「医学部の教官はすべて辞職せよ」、「遠くから声が聞こえる」、「新聞報道は主観的だ」、「社会の欠陥は私の欠陥」、「反面教師としての教授たち」、「大学における神話」、「自由であること」、「私は横柄な権力者？」、「大学で論理は通じないのか？」、「雨の音が聞こえる」、「入学試験の非人間性」、「研究室の忘年会」、「封鎖を阻止する封鎖」、「誰かを愛することは誰かを愛さないことだ」、「真理にしたがう生」、「我々の力」、「さまざまな字」、「現実と理想」、「言葉は独り歩きする」、「言葉がキャンパスをさまよう」、「喧騒なる静寂」、「世界の中に世界がある」、「私の中の二人の私」、「識ることは変わること」、「指導者は要らない」、「音楽と、煙と、倦怠と」、「歴史を作るのは一般学生」、「先生の自宅での新年会」、「Ｍ・ウェーバーの科学論」、「お母さん、僕と一緒に戦って下さい」