Syouen Saitou Mokiti zenkasyuu 15 (Japanese Edition)

斎藤茂吉の第15歌集『小園（しょうえん）』の電子書籍です。昭和24年4月刊の初版は誤植が多いため、訂正が施された同年11月刊の第二刷を底本としました。

昭和18年から21年、著者61歳から64歳までの歌782首を収録。全集において増補された「上ノ山・金瓶雑歌」の61首は巻末に添えました。
戦時下、箱根強羅山荘での暮しを経て、故郷の山形県金瓶村に疎開し、終戦後、大石田に移るまでの作品から成っています。この間茂吉は少なからぬ戦争詠も残していますが、それらは除外して平和的な歌を選んだものです。
敗戦直後の心境をうかがわせ、生涯の代表作ともされる「沈黙のわれに見よとぞ…」を含む名高い連作「岡の上」など、深甚たる秀歌の多い歌集です。

　このくにの空を飛ぶとき悲しめよ南へむかふ雨夜かりがね
　沈黙のわれに見よとぞ百房(ひやくふさ)の黒き葡萄に雨ふりそそぐ
　あかがねの色になりたるはげあたまかくの如くに生きのこりけり

各歌集の単行本から新たに本文を作成し、二度の全集によって校訂した、斎藤茂吉全歌集シリーズ（全18巻を予定）の第15巻にあたります。

本文はリフロー型の電子テキストですので、語彙検索や文字サイズの拡大縮小、メモ機能・辞書機能などがご利用になれます。