2015年12月19日更新、文章を加筆と修正、パラグラフを2増やしました。
祖母の家に一泊して体力がいくらか回復した君は、ゴブリンたちもまだ眠っている早朝に祖母の家を出た。
「ゴブリンに気をつけて、寄り道せずに帰るんだよ」
優しい笑顔の祖母に手を振り、君はリンガル村を離れる。祖母は見えなくなるまで手を振って君のことを見送ってくれていた。
何も持たない君に危害を加えようとする者に出くわすことなく、君は5匹のゴブリンに襲撃された場所を通りかかった。地面にはゴブリンたちが食い散らかしたパンの屑が散乱している。だが、周囲を見回してもバスケットがどこにも見当たらない。あのバスケットは母が買い出しに行く時に大事に使っていたものだった。ゴブリンたちか誰かが持ち去ってしまったのだろうか。
「どうしたんだい?」
不意に背後から声をかけられる。振り向くと、そこには冒険者らしき若い男が立っていた。革の鎧を着て、背中にザックを背負い、腰に見事な剣を差している。君はゴブリンたちに襲撃された時に置いて逃げたバスケットが誰かに持ち去られたようだ、それは母が大事に使っていたものであることを説明する。
「昨日の夕方に3匹のゴブリンの1匹がバスケットを持って、この辺りではゴブリン鉱山と呼ばれている鉱山に入っていくのを見たよ」
君は母のためにバスケットを取り返したいのだが、どうしたら良いかと尋ねる。
「その鉱山は数年前にゴブリンの集団に占拠されたと聞いている。君1人で行くのは絶対に危険だ。俺が一緒に行ってやるよ」
君は男の申し出にそれは助かるが、武器を扱った経験がないことを伝える。
「それについては心配無用だ。俺1人で何とかできると思う。自己紹介が遅くなったが、俺は見ての通りの冒険者で、名前はルスランだ。よろしくな」
こうして君たちは、1時間ほどでゴブリン鉱山の坑口の前に辿り着く。坑内は奥の方まで薄暗く、すっかりゴブリンたちの住処と化している様子が伝わってくる。ルスランはおもむろにザックを地面に下ろすと、布を巻きつけた木の棒を取り出す。慣れた手つきで瓶に入れた液体で布を湿らせ、火口箱で火をつける。どうやらたいまつのようだ。布を焼きながら赤く温かな炎がゆらめく。
「あんたはこれを持って薄暗い坑内を照らしてくれないか。それに、このたいまつを持っていたら、ゴブリンも容易にあんたを襲えないはずさ」
君はルスランの言葉に少しの勇気を得て、たいまつを持って恐る恐る坑内へと入っていく。
「俺がすぐ後ろにいるから」
ザックを背負い直したルスランが君の気持ちを察したように、背中をもう一押ししてくれる。
坑内はまるで洞窟のようで、落盤防止の木の支柱がそこかしこに施されている。たいまつで前方と足元を交互に照らしながら慎重に進むと、坑道はすぐに右とまっすぐに分かれた。分かれ道の前の左隅にはひしゃげたカンテラがいくつも転がっている。
「ゴブリンは光を嫌うから、棍棒か何かで叩き落したんだろう」
カンテラを見つめる君の背後でルスランが言う。たいまつの明かりで照らすと、右は先の方でやや左へカーブしているのがわかる。
これから先、ルスラン役になってくれる人がいるなら、選択肢を選ぶ際に2人で相談して決めることができる。また、ルスランは現時点で5回戦えるだけの体力があり、残り戦闘回数をメモするか覚えておこう。
まっすぐ進み続ける 5へ
右に進む 9へ
ゴブリンクエストシリーズ第2弾! 2人で協力プレイできる(選択肢を選ぶ際に2人で相談して決められる)81パラグラフゲームブック、挿絵2点(表紙と同じ鉛筆画と写真)。筆記用具、サイコロなどは必要ありません。第1弾「風前の灯火」をクリア後にプレイすることをお勧めします。
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