平安時代後期頃の中世を舞台にした、哀しくて切ない悲恋怪談。
《あらすじ》
乱世の頃、都から遠く離れた山奥に在る古寺。その本堂の暗闇で、座禅を組み、瞑想を続ける一人の若い僧侶、安明に、寺の住職、玄有は、不思議と熱心に、修行を辞めて寺から去るように諭していた。
そこへ突然、幼い鶴丸と、その乳母が現れ、都の戦乱から逃れて来たので、助けて欲しいと言う。鶴丸の顔を見た安明の頭に、かつて武士、影虎で在った頃の自分の記憶の断片が、次々と甦って来る。
さらに、鶴丸の乳母は、ここに鶴丸の姉である露姫が落ち延びている、と言う影虎からの手紙を受け取った、と語った。
これを聞いた安明は再び、まるで白昼夢を見るかのように次々と甦ってくる記憶の糸を手繰り始めるが、玄有は、露姫は、もうこの山寺には居ないと告げる。
なんと露姫は、影虎の死に絶望し、滝壺へ身を投げてしまった、と言うのだ。甦った自分の記憶と矛盾する玄有の言葉を信じられない安明は、さらに玄有の口から衝撃の真実を告げられて愕然とするのだが……。
The bottom of a waterfall basin (Japanese Edition)
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