弥次さん喜多さんが東海道を旅したのは、今からほぼ二百年前である。
お江戸を後に、箱根の山を越え大井川を渡り、行く先々でふざけ散らして、やることなすこと失敗とドジの数々……。しかし二人はめげたりもせず、こりもせず、宿場宿場の女性と戯れ地酒に浮かれ、春風駘蕩旅を重ねてお伊勢様を目指す。黒船がやってきて、日本中がひっくり返るような大騒ぎになる、五十年ばかり前のことである。
二人がノーテンキにたどった道は、今どうなっているんだろう?
人が変り社会の有様は変っても、道筋というものはそれほど大きく変っているわけではない。二百年の歳月は東海道をどう変えたんだろう?車とスマホで日本中が埋まってしまった今の時代、もう弥次喜多の歩いた跡はなくなってしまったのか、それともまだ、街道のどこかには江戸の面影がかすかに残っているのか?
本棚のスミッコから膝栗毛を引っ張り出し、広重の絵と、当時の名所図会や古川柳などを手がかりに、平成の世の五十三次を自分の足で歩いてみよう。いろんな無駄話など思い出しながら……。
弥次さんたちは伊勢までだけど、この際だ。日本橋を振り出しに、京都三条大橋を目指して……、さてさて思い立ったが吉日だ。
(はじめにより)
toukaidoudayo heiseigojyusantugi (Japanese Edition)
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