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    Traveler of Shangri-La (Japanese Edition)

    Por Kenji Aoyagi

    Sobre

     「桃源郷」は中国六朝時代に活躍した詩人・陶淵明作『桃花源記』以来「シャングリ・ラ」などと同じ、俗世間から離れた「理想郷」という意味で使われている言葉です。
     『桃源旅人(とうげんりょじん)』は「どうして雲南省にひかれたのか」をテーマにした旅行記(こころの旅記)です。雲南の山を歩き、山に分け入って体験した世界は「桃源郷」だったのでしょうか。文字数は約106,000字(400字詰め原稿用紙265枚分)あります。一部、雲南までの直行便を就航していたJAS の機内誌「ARCAS」に1年間(12回)連載した『雲の南の少数民族たち』を加筆修正したものもあります。


    目次:

    「大理の田植」
    日本を出てから二週間かけてたどりついた雲南省の大理。田植えをするペー族や、湖畔の村で知り合った家族との出会いは、子供のころを思い出させた。

    「山の祭り、挿花節」
    雲南中部、大姚県の山中で行われた祭り。当時、大姚県は外国人には未開放(勝手に旅行できなかった)だったので、私は香港人になりすまして祭りを目指した。地元のイ族女性に案内されて祭りを見物したが、その夜意外な事件が起こってしまった。

    「ナンヌオ山のハニ族」
    雲南省南部にナンヌオ山というアイニ族が住む山がある。村人に無視されながらも、ある結婚式に参加することになった。宴会が続き、酒の酔いもあいまって、俺はいったいどこにいるのだろう?と、頭の中が真っ白になって眩暈を感じた。しかしそれは、心地好い感覚でもあった。

    「夕暮れの瀾滄江」
    雲南省南部、西双版納タイ族自治州に住むタイ族の生活は、瀾滄江の流れのようにおおらかなものだった。ある日の夕方、瀾滄江で見かけたタイ族女性の姿を見ながら、あることに気がついた。

    「神虎の棲む山、玉龍雪山」
    雲南省北西部、世界遺産になった麗江の大都会。それとまったく対照的な峡谷の小さな村。そこには「神虎」が棲むと、地元の男に教えられる。険しい峡谷を歩くうち、「神虎」というものを信じざるをえないような不思議な体験をした。

    「さいごに(あとがき)」
    桃源郷とは?


    著者プロフィール:

    1958年山形県河北町生まれ。学生の時ヨーロッパを8ヶ月旅行し、お金がなくなりパリでウェイターのあるバイト中、偶然本屋で見た写真集に興味を覚える。82年、山形大学工学部を1年遅れて卒業。写真を独学し、毎年アジア各地を旅する。90年代は中国やメコン川流域、2000年代から現在まで「日本とアジアの棚田」、「日本の文化的景観(日本人の知恵の風景)」をテーマに撮りつづけ、写真展、新聞雑誌で発表。雲南省の滞在は延べ28ヶ月以上で、雲南省の全26民族を訪ねる。雲南省をテーマにした写真展「雲の南に」開催。06年「棚田学会賞」受賞。
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