第2回東京オリンピック後の202×年……
日本政府は、全世界が要求する、「絶滅危機にある、クロマグロを始めとする全種類のマグロを完全禁漁にする」という制度を受け入れた。
クロマグロの中トロ握りが、一貫三万七千円という値段になってしまった。安価な他種のマグロは全く流通しなくなった。
それによって、『世界で一番おとなしい国民』である日本人が、まさかの暴動を起こした。
後に『ツナウォーズ』と呼ばれるようになる、戦争である。
戦争と言っても、ミサイルや銃器でドンパチするのではなく、マグロをこよなく愛する一般人が、群れる事無く、個人で行動を起こしたのだ。
個人のほんの些細な行動の積み重ねが、ジワジワとボディーブローとなって、事実上の戦争と同じ意味になる。
自分独りの決断で、「マグロを再び、普通に食べられる世の中に戻す」と行動を起こした。
「え? こんなアホな行動が、戦争って呼べるの?」という行動ばかりだ。
この10人は、職業も年齢も出身地もバラバラだ。一堂に会した事も無い。共通項は、マグロが大好きという事だけだ。
回転寿司のマグロ……地方公務員・男・四十七歳・茨城県出身。
ツナ缶……女子高生・十七歳・東京都出身。
鉄火丼……大御所お笑い芸人・男・五十八歳・大阪府出身。
カブト焼き……三世国会議員・男・二十六歳・千葉県出身。
通夜の寿司……パート清掃員&主婦・五十二歳・青森県大間出身。
ネギトロ軍艦……キャバクラ嬢・二十一歳・宮崎県出身。
刺身定食のマグロ……文房具メーカー会社社員・男・三十一歳・沖縄県出身。
鉄火巻……大手IT企業社長・男・七十八歳・北海道出身。
大トロ握り……高級ソープ嬢・二十六歳・石川県出身。
カリフォルニアロール……小学六年生・男・十二歳・ニューヨーク州出身。
各自が一番好きなマグロ料理に関する、“超お馬鹿な思い出話”&「どうやって戦ったか?」というオムニバス短編話が、10本勢ぞろい。
読後、「アホ過ぎる! でも、あるある! 自分もマグロ大好き! 今夜に食べたい」と思うような、笑いが盛り盛りである。
言うならば、『マグロ版すべらない話集&雑学集』である。
東スポ創刊50周年記念特別企画東スポ官能小説大賞グランプリ作家・菅原裕一が、書き下ろしで送る、アホ&エロの最高傑作!
Tuna Wars (Japanese Edition)
Sobre
Baixar eBook Link atualizado em 2017Talvez você seja redirecionado para outro site