斎藤茂吉の歌集『つゆじも』の電子書籍です。底本には、歌が増補された昭和26年4月刊の第三刷を用いました。
大正6~11年の歌を収録しており、制作年順では茂吉の第三歌集に当ります。時局柄削除され、のち全集で増補された歌などは、補遺として巻末に収めました。
36歳から41歳までの歌七百余首を収録。この間、茂吉は長崎医専で教授をつとめていましたが、大正9年に喀血したのち、転地療養を繰り返し、雲仙・古湯温泉といった保養地での旅行詠が多く残されることとなりました。10年には長崎を去って帰京しますが、間もなく渡欧留学の途に就き、中国・インド・エジプトなどを経て、地中海からフランスのマルセイユに上陸。パリ・ベルリンを経て留学先のウィーンへと向かいます。茂吉は各地で歌日記をつけるように短歌を残しており、続く歌集『遠遊』『遍歴』と共に、大正時代における日本人の海外渡航の記録としても興味深い作品でしょう。
附録として『作歌四十年』より「つゆじも抄」を添えました。口絵のピナテール(長崎で生涯をおくったフランス人)の肖像写真ほか挿画も収録。
浦上天主堂無元罪サンタマリアの殿堂あるひは単純に御堂とぞいふ
ゆふぐれの泰山木の白花はわれのなげきをおほふがごとし
空のはてながき余光をたもちつつ今日よりは日がアフリカに落つ
各歌集の単行本から新たに本文を作成し、二度の全集によって校訂した、斎藤茂吉全歌集シリーズ(全18巻を予定)の第3巻にあたります。
本文はリフロー型の電子テキストですので、語彙検索や文字サイズの拡大縮小、メモ機能・辞書機能などがご利用になれます。
tuyujimo saitou mokiti zenkasyuu 3 (Japanese Edition)
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