ショートショートSF小説「チョコレートがもたらした幸福な1日」。
2036年。そこは、今よりもさらにつよく、マスメディアが国民を支配している世界。
そこで、労働者として働く僕は、作業場に並べられた無数のスイッチを操作して、企業からの発注で、
各地で地震を起こしたり、今年の流行色を決めたり、ひとつの惑星を消滅して流れ星を生み出したりしている。
僕が、スイッチ一つで動かしている、地震、雷、台風、桜の開花、など、すべての現象に国民はただ感情を上下されるばかり。
感じること、体感していること、目に見えること、耳で聞こえるあらゆる現象は、仮象であり、
本質が何であるかなんて、人はだれも気にしない。
自由なように見えて、不自由な世界の裏側を、もちろん2036年の国民は誰も知らない。
どんなにインターネットで情報が流れていたとしても、インスタントな情報であるがゆえ、
大事な情報はいっさい隠されている。
2036年12月31日。
スイッチの前で働く僕は、その日の夕方、ある抽象的な作戦を思いついた。
その作戦を具体的に行動に移したとき、時計はちょど2036年12月31日23時55分を指していた。
2037年は、はたして2036年の続きなのか、
それとも、全く別な世界なのか。
SF小説「チョコレートがもたらした幸福な1日」がはじまります。
tyokoretogamotarasitakouhukunaitiniti (Japanese Edition)
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