Unmei no kigen wo motomete Yashima Koumei no Unmei sireizu (Japanese Edition)

運命が生まれる世界―それはどのような世界なのでしょうか。私たちは日々いろんな人に出会い、いろんなことを語りあい、互いに様々な影響を受けています。その中から運命というものが生まれてきます。ですから運命が生まれる世界というのは、この私たちの住む世界に他なりません。では、運命はこの世界のどこに在るのでしょうか。運命は「ここにある」「あそこにある」とは言えません。運命は目に見えるものではないので、具体的に指し示すことはできないのです。でも強いて言うならば、運命は人の「心の中にあるもの」と言えるでしょう。

　では心の中のどこに運命は見いだせるのでしょうか。昔から人は運命を意識してきました。それは自分と他人の運命を比較したのかもしれません。どうしてあの人は金持ちなのに自分は貧乏なのか。どうしてあの人は美人なのに自分は不美人なのか。世の中には才能のある人やない人、性格の穏やかな人や気の強い人、頭の良い人や悪い人、スポーツのできる人やできない人がいるでしょう。こうした運命の違いはいったいどのようにして生じるのでしょうか。それは偶然なのか、あるいは必然なのでしょうか。こうした運命の問題を突き詰めていくと、それぞれの運命には特定の法則性があることがはっきりと見えてくるのです。

　ここまで理解できれば、運命の生まれる世界を半分は理解したことになります。この本は運命が心の内面世界の中で生まれ、様々な心的要因と絡み合いながら、運命が生成していく様子を描いています。運命は私たちの心の深層世界で生まれるものですが、心の中には宿命的な心理構造というものがあり、それらが衝動的に私たちを突き動かして運命を生み出しているのです。運命にこのような宿命的な構造があるならば、私たちはその内容を知ることによって、自らの運命を正しい方向に導いていくことができるでしょう。この本には随所にそのヒントが散りばめられていますので、それをうまく拾い上げて自分のものにしてください。この本が運命の真実を求める人の手助けになれば、これに勝るものはありません。