WATASHIGASAKKANINATTAWAKE (Japanese Edition)

私が作家になった訳

登場人物

私：井村理恵：主人公（出版社に勤める編集スタッフ）
登紀子：大学時代の友人
真矢：同上
山下：会社の後輩
吉田沙織：部下
佐々木譲：お局
デスク：憧れの編集長
山中太郎：新人作家
神童課長：
相原総務部長：
益美：書店の店主
岡本

序章

或る子が言った。
十歳上の人と寝るなんて…
キモイ！

そうよね。
私もそう思っていた。
そんなの有り得ない。
そう思っていた。

でも、出会ったしまった。
運命の人。
今では、彼なしでは人生を語れないほど、強く結ばれてしまった人。
それが大人の恋って言うなら、そうかもしれない。
大人の人に恋して、私は大人の女に成長したのだ。
きっと。
あの時から…





第五章２

神童には二つの人格があった。
優秀で的確なビジネスセンスの持ち主。
もう一方は、淫らで欲望を抑えられない動物的な性格の持ち主。
暫し、結婚して、前半のビジネスマンに徹底していたので、後半の違った面は隠れていた。
だが、相原と出会い、彼が神童の欲望を刺激した。
元々、相原も大手テレビ局への就職を望んでいた。
その目的も、職場に女が多い。
しかも、デレクターともなれば、帝王のようなもの。
好きな事は何でも出来る。
そう教えられていた。
それが中堅出版社しか入社できず、その人生航路に狂いが生じたのだ。