【復刻版の原本】
この電子書籍は、以下の書籍の版面を複写し、シミ、ヤケ、活字のかすれ等をできるかぎり修正し、読みやすくした復刻版です。
柴田天馬訳『嬌艶怪奇―読み易い聊斎志異抄(一)』(中央文芸社 昭和30年12月5日発行)
※ 清水崑氏による挿絵は著作権存続のため含まれておりません。ご了承ください。
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【解説】
以下の訳者の柴田天馬氏による序文が、聊斎志異の魅力をコンパクトに伝えています。
「聊斎志異は何度読んでも読み飽かむ怪異談です。読み飽かぬということは、面白いからなのです。面白いのにも色々ありますが、聊斎志異の面白さは材料が怪奇を極め、文章が巧妙を尽しているうえに、花のように美しく、月のように悲しく、火のように激しく、光のように楽しいものが、代る代る迫ってくるからです。
聊斎志異は、蒲松齢という文豪によつて書かれた四百四十五篇の怪奇譚で聊斎というのは蒲松齢の書斎の名です。中国には沢山の怪奇集がありますが、聊斎志異は文章といい構成といい最もすぐれたものとして定評があります。特に幽霊や狐の美人が読んでいるうちに、いつか普通の人間のように思われてくるのが、特色だといわれています。これは幻想の裏にびっしり現実が貼りつけてあって、読むに従ってだんだん裏面に引きつけられるからでしょう。大才筆でなければできないことです。
この抄訳は広く読者に聊斎志異を紹介せよという勧めに従って筆を執ったものですから、訳文も読承易いように遠慮なく和習を使いました。併し八漢語漢字を排斥しつつある今日の方が、明治時代より遙に多くの漢語漢字を使っているので、和習が却って読みにくいのではないかとおかしいような気もします。若しそうだったら余計な心づかいだったかもしれません。
蒲松齢は西暦一六四○年に生まれ、一七一五年に死んだので、聊斎志異を書きはじめたのは二十歳頃でしょう。そして死ぬまで書き続けたといってもよいように思われます。
中国で聊斎志異の愛読されていることは水滸伝、西遊記、三国史演義に劣らぬ程で、白話訳まで出ています。原本に古文古典が多く難解であるため、高剣華女史と許家恩氏が合訳したものです。英訳もあります、独訳もあります、ソ連訳もあります、邦訳もあります。聊斎志異は国際的の立場にある名著だといっても差支えがないでしょう。
【お薦め】
柴田天馬氏は、聊斎志異の全訳も出しています。響林社文庫では近々、その復刻版を発行予定ですので、併せてお楽しみ下さい(2015年5月刊予定)。
YomiyasuiRyosaishiisyo-vol1-Kyoenkaiki (KyorinsyaBunko) (Japanese Edition)
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