ここは、剣と魔法の世界「アフィリエイト・ランド」。この世界では今、少し独特な商売が流行している。
「ほう、あんたらが今有名な『サイベル一行』か。話は聞いているぞ」
とある城下町で、一人の武器屋の男がそう言いながら、4人組のパーティ「勇者一行」を見つめた。
「そうか?なら話は早いな。どうだ、俺たちと契約しないか?」
「ふーむ……。あんたらに支払う報酬は30%か。……まあ、悪くはないが、どうだろうな……」
「なら、20%!1300Gの『はがねの剣』を売れば、260Gって計算だ!」
「ふむ……悪くは無いな。だが……」
「俺たちはこれから『ジパング』って東の大国に行く。あっちはモンスターが多いから剣の需要も多いはずだ。だから20%分を俺たちに支払っても黒字はでかいはずだぜ?
「ほう?」
「そうよ!それに、あなたのお店の商品ならみんな欲しがるはずよ?こんなに品質が良いんだもの!」
横から勇者「サイベル」の同行者である魔法使い「リグレット
も援護射撃を加えた。
「それとも、怖いの?あんたの商品が他の地方では売れないっていうのが?」
「む?そ、そんな訳ないだろ?……なら、契約成立だ!」
安い挑発に乗った店主は、顔を少し赤くしながら契約書にサインを行った。
武器屋から出るなり、サイベルはほくほく顔でつぶやいた。
「よし、これで武具やと防具屋の契約はOK。後は……」
「『ジパング』の国には、妙な特殊能力持つ敵が多いそうよ。伝説によると、すさまじい嗅覚を持ってこちらを狙ってくる『腐女子』とか、こちらの気力を一気に減退させる『ニート』とか……
「後、魅了攻撃の類が効かない『アニヲタ』と言う敵もいるらしい。……想像するだに恐ろしい国だな……。だから、道具屋でマジックアイテムの契約をすると良いと思うな」
だが、それを聞いた戦士「カレス
は不満そうな表情を見せた。
「へっ!冗談きついぜ?そんなちゃらちゃらしたアイテムなんかいらねーよ!男なら、パワーだろ?ドラゴンも殺せるようなでっけー剣とか、腕に装着できる大砲とかよ!」
そう言いながら腕をぶんぶん振り回す戦士に、僧侶である「ルールー
は無表情のまま反論した。
「だめ。前、そう言ってバジリスクに石化されて醜態をさらしたの、だれ?」
「ぐ……!」
「カレスの力は認めてる。私達にはかけがえがないもの。けど、腕力だけじゃ戦いは勝てない。魔法の道具は必要」
「む……分かったよ、じゃあ次は道具屋に行けばいいんだな!」
「素直で嬉しい。さすが、私の見込んだ男。醜態は、私にしか見せてほしくない」
ぽつり、ぽつりと確信を付く僧侶ルールー。彼女の発言に戦士もまた道具屋に行くことに同意せざるを得なくなった。
「よし、じゃあさっそく行こうぜ?マージンは少なめで良いから契約して貰わねえと!」
賢明な読者の方はお分かりだろうが、勇者「サイベル」・魔法使い「リグレット」・戦士「カレス」・僧侶「ルールー
の一行は「アフィリエイト」によって生計を立てているのである。
さて、なぜこのような話になったのかと言うと、話は6か月前に遡る。
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