本作品は2009年12月に学研パブリッシングより出版された『日本人の経営魂』を改題、一部修正し、電子書籍版として出版したものです。
江戸時代中期から明治時代にかけて日本は連続的ではなく、前時代とはまったく異なる価値観や体制を基礎にする社会へと不連続に変化していきました。これを一言で断絶、または断絶の時代といいます。
そのような中、それぞれの時代を生きたサムライ達、たとえば徳川吉宗、上杉鷹山、坂本龍馬、岩崎弥太郎らが財政改革に挑むことで、この断絶の時代を乗り越えようとしました。
本書を通してサムライ達それぞれの生き様が、現代の私たちが断絶の時代を生き抜くためのヒントになれば幸いです。
【目次】
はじめに
一章 吉宗と断絶の時代
一 名君と言われた吉宗の政治
綱吉と吉宗の類似性
財政悪化と貨幣の改悪
部屋住から将軍へ
家康の時代に戻れ
吉宗の経済対策
吉宗は本当に名君だったのか
二 市場経済に翻弄された吉宗
武士の無用化・武士の無能化
大きく変わる経済環境
武士の立場がさらに低下する
米相場に見る現代的取引
米価格の上下に悩む
あだ名は八木将軍
三 断絶の江戸時代
断絶の時代とは何か
ロジャーズのS曲線
社会モデルとS曲線
シュンペーターのイノベーション論
イノベーションによる社会成長モデル
新たな社会モデルへの軌道変更
江戸時代に見る断絶
武士の帰農の勧め
二章 ミニ吉宗とアンチ吉宗
一 繰り返される江戸の緊縮財政
吉宗の孫・松平定信が政権を担当
農村復興に尽力
踏み倒し、そして鎖国の国法化
幕府の延命には成功した寛政の改革
三大改革は三大「復古」改革
意欲と能力は別物
二 質素倹約と不況
地方藩も経済危機に瀕する
恩田木工の経済改革
必ずしも成功とは言えなかった改革
倹約は美徳なのか
蜂の寓話
不況をふっとばす政策
三 ケイジアン徳川宗春の成長戦略
享保時代に咲いたあだ花
長い部屋住に耐えた宗春
宗春の『温知政要』
『温知政要』の評判
宗春が推進した政策
やがては夢の跡
宗春が失策した理由
三章 農業経済から市場経済へ
一 市場経済と格闘するサムライたち
武士の踏み倒し
地に落ちる大名の評判
薩摩藩流踏み倒しの秘術
商品経済の進展と田沼意次
軽輩から出世街道を幕臣
「入るを図りて出ずるを制す」的発想
蝦夷開発に乗り出す
全国からくまなく徴税する
二 時代の断絶を見すえた上杉鷹山
内村鑑三『代表的日本人』と鷹山
名家上杉家への養子
倹約令と農業支援
武士を生産者として活用
現代にも受け継がれる名産品
断絶に立ち向かった鷹山
棒杭の商い
三 農民・二宮金次郎の藩政改革
勤勉の象徴・二宮金次郎
報徳仕法、分限と推譲
藩士として改革にあたる
信用組合の源流
四 山片蟠桃から一藩重商主義へ
仙台藩の財政再建に取り組む山片蟠桃
蟠桃の奇策・さし米
蟠桃の「米札」による「米テク」
町人学者としての蟠桃
次々登場する経世家た
一藩重商主義の進展
四章 さらなる断絶の到来
一 黒船来航と二重の断絶
大きなタライとハマグリ
日米和親条約の成立
二重の断絶にさらされる日本
断絶に見る連続性
横須賀に製鉄所・造船場を造る
横須賀製鉄所の設置経緯
フランスからの借款計
忘れられた小栗忠順
二 島津斉彬の集成館事業
開明派大名・島津斉彬
斉彬の集成館事業
初の日本製蒸気船
カッテンディーケが見た初の日本製蒸気船
外国人が見た集成館
工業立国への先鞭をつける
三 工業立藩を目指す鍋島直正
フェートン号事件の痛恨
鍋島藩の財政状況と藩政改革
財政再建のためのあの手この手
直正・外国船に乗る
工業立国に一歩踏み出す
川路聖謨が見た佐賀藩の反射炉
日本初の海軍を設置
オランダ商館との接触
人材の育成と引き抜
工業立国の針路を示す
五章 海の向こうに未来を懸ける
一 坂本龍馬が見た大商社の夢
断絶を跳び越えた男たち
坂本龍馬の生涯
亀山社中、そして海援隊へ
海援隊成立の経緯
海援隊約規
海援隊約規の意義
いろは丸事件に見る企業人・龍馬
総合商社を目指す海援隊
世界の自由主義市場経済を目指した龍馬
二 民富に尽す横井小楠と三岡八郎
龍馬が残した人物名
福井藩と横井小楠の関わり
横井小楠の民富論
財政家・三岡八郎
三岡と龍馬との出会い
藩札の有効活用
国事五か条から五箇条の御誓文へ
失敗した太政官札
賢士期限を以て賢才に譲るべし
三 岩崎弥太郎と三菱財閥の誕生
地下浪人・岩崎弥太郎
吉田東洋の門下生になる
土佐商会の岩崎弥太郎
弥太郎と龍馬の出会い
商売に目覚める弥太郎
ますます自信を深める弥太郎
三菱へ社名を変更する
政商としての飛躍
壮絶な死
四 渋沢栄一の企業家精神
龍馬とつながる見えない糸
一橋家の財政改革からフランス行きへ
西洋文明に圧倒される渋沢
銀行、そして合本主義
道徳経済合一論としての論語と算盤
渋沢栄一と岩崎弥太郎
世界でも希有な人物
五 現代の日本と断絶
成功から停滞へ
急成長期から成熟期、停滞期へ
変化の先頭に立つ
江戸時代中期から明治時代にかけて日本は連続的ではなく、前時代とはまったく異なる価値観や体制を基礎にする社会へと不連続に変化していきました。これを一言で断絶、または断絶の時代といいます。
そのような中、それぞれの時代を生きたサムライ達、たとえば徳川吉宗、上杉鷹山、坂本龍馬、岩崎弥太郎らが財政改革に挑むことで、この断絶の時代を乗り越えようとしました。
本書を通してサムライ達それぞれの生き様が、現代の私たちが断絶の時代を生き抜くためのヒントになれば幸いです。
【目次】
はじめに
一章 吉宗と断絶の時代
一 名君と言われた吉宗の政治
綱吉と吉宗の類似性
財政悪化と貨幣の改悪
部屋住から将軍へ
家康の時代に戻れ
吉宗の経済対策
吉宗は本当に名君だったのか
二 市場経済に翻弄された吉宗
武士の無用化・武士の無能化
大きく変わる経済環境
武士の立場がさらに低下する
米相場に見る現代的取引
米価格の上下に悩む
あだ名は八木将軍
三 断絶の江戸時代
断絶の時代とは何か
ロジャーズのS曲線
社会モデルとS曲線
シュンペーターのイノベーション論
イノベーションによる社会成長モデル
新たな社会モデルへの軌道変更
江戸時代に見る断絶
武士の帰農の勧め
二章 ミニ吉宗とアンチ吉宗
一 繰り返される江戸の緊縮財政
吉宗の孫・松平定信が政権を担当
農村復興に尽力
踏み倒し、そして鎖国の国法化
幕府の延命には成功した寛政の改革
三大改革は三大「復古」改革
意欲と能力は別物
二 質素倹約と不況
地方藩も経済危機に瀕する
恩田木工の経済改革
必ずしも成功とは言えなかった改革
倹約は美徳なのか
蜂の寓話
不況をふっとばす政策
三 ケイジアン徳川宗春の成長戦略
享保時代に咲いたあだ花
長い部屋住に耐えた宗春
宗春の『温知政要』
『温知政要』の評判
宗春が推進した政策
やがては夢の跡
宗春が失策した理由
三章 農業経済から市場経済へ
一 市場経済と格闘するサムライたち
武士の踏み倒し
地に落ちる大名の評判
薩摩藩流踏み倒しの秘術
商品経済の進展と田沼意次
軽輩から出世街道を幕臣
「入るを図りて出ずるを制す」的発想
蝦夷開発に乗り出す
全国からくまなく徴税する
二 時代の断絶を見すえた上杉鷹山
内村鑑三『代表的日本人』と鷹山
名家上杉家への養子
倹約令と農業支援
武士を生産者として活用
現代にも受け継がれる名産品
断絶に立ち向かった鷹山
棒杭の商い
三 農民・二宮金次郎の藩政改革
勤勉の象徴・二宮金次郎
報徳仕法、分限と推譲
藩士として改革にあたる
信用組合の源流
四 山片蟠桃から一藩重商主義へ
仙台藩の財政再建に取り組む山片蟠桃
蟠桃の奇策・さし米
蟠桃の「米札」による「米テク」
町人学者としての蟠桃
次々登場する経世家た
一藩重商主義の進展
四章 さらなる断絶の到来
一 黒船来航と二重の断絶
大きなタライとハマグリ
日米和親条約の成立
二重の断絶にさらされる日本
断絶に見る連続性
横須賀に製鉄所・造船場を造る
横須賀製鉄所の設置経緯
フランスからの借款計
忘れられた小栗忠順
二 島津斉彬の集成館事業
開明派大名・島津斉彬
斉彬の集成館事業
初の日本製蒸気船
カッテンディーケが見た初の日本製蒸気船
外国人が見た集成館
工業立国への先鞭をつける
三 工業立藩を目指す鍋島直正
フェートン号事件の痛恨
鍋島藩の財政状況と藩政改革
財政再建のためのあの手この手
直正・外国船に乗る
工業立国に一歩踏み出す
川路聖謨が見た佐賀藩の反射炉
日本初の海軍を設置
オランダ商館との接触
人材の育成と引き抜
工業立国の針路を示す
五章 海の向こうに未来を懸ける
一 坂本龍馬が見た大商社の夢
断絶を跳び越えた男たち
坂本龍馬の生涯
亀山社中、そして海援隊へ
海援隊成立の経緯
海援隊約規
海援隊約規の意義
いろは丸事件に見る企業人・龍馬
総合商社を目指す海援隊
世界の自由主義市場経済を目指した龍馬
二 民富に尽す横井小楠と三岡八郎
龍馬が残した人物名
福井藩と横井小楠の関わり
横井小楠の民富論
財政家・三岡八郎
三岡と龍馬との出会い
藩札の有効活用
国事五か条から五箇条の御誓文へ
失敗した太政官札
賢士期限を以て賢才に譲るべし
三 岩崎弥太郎と三菱財閥の誕生
地下浪人・岩崎弥太郎
吉田東洋の門下生になる
土佐商会の岩崎弥太郎
弥太郎と龍馬の出会い
商売に目覚める弥太郎
ますます自信を深める弥太郎
三菱へ社名を変更する
政商としての飛躍
壮絶な死
四 渋沢栄一の企業家精神
龍馬とつながる見えない糸
一橋家の財政改革からフランス行きへ
西洋文明に圧倒される渋沢
銀行、そして合本主義
道徳経済合一論としての論語と算盤
渋沢栄一と岩崎弥太郎
世界でも希有な人物
五 現代の日本と断絶
成功から停滞へ
急成長期から成熟期、停滞期へ
変化の先頭に立つ