本書の取材中に、長年オアフ島に暮らす20人以上の方々にお会いしたが、いま、ハワイでもっとも面白いといわれるラナイ島に訪れたことがある人は、20人中1人だけだった。
実に不思議である。もしかしたら、ハワイに長年住んでいても、仕事やコミュニティも「ハワイの人たちよりリッチでない日本人観光客のお買い物」の延長線上にいて、「ライフスタイル」などという言葉で紛らわし、なにかを見失っているのではないだろうか?
このようなことは、カリブの島々をまわってても感じた。自分たちの島はいうまでもなくべた褒めするが、他の島は「行ったことがない」という人々が、あまりに多い。
この独自性というか閉鎖的発想を島国根性という言葉で片付けてしまうのは少し乱暴すぎるかもしれないが、もしかしたら、日本人がハワイが好きなのは、日本よりリッチな島国で、どこかメンタリティ的に近いものを感じているからかもしれないと思うようになった。
僕が南の島が大好きな理由は、本質的に近いメンタリティがあるからなのかもしれない。
ハワイやシンガポール、セブ島まで、多くの日本人が移住する理由は、気候や税制優遇、暮らしやすさではなく、実は本質的に近い島国特有のメンタリティがあるからなのだろう。
だとすれば、本書を「旅行ガイド本」としてみるだけでなく、別の島への「移住ガイド本」としてみるのはどうだろう?
さらには、僕にとっては「いまはそれほど知られていない島である」ことも重要で、それは先行投資の観点からでも、旅行コストを抑えるという点からも大切だと考える。
確かにハワイは、素晴らしい場所だと僕も思う。ただしそれは、あらゆる点でオアフ島ではなくて、周辺の離島のことなんだけど。
よく冷静に考えていただきたい。
有名だけど、実はどこでも食べられる味のパンケーキ屋に並んで、わずかな旅行時間を過ごすのか?
それとも、ホノルルから飛行機で数十分先にある、この旅行でしか得ることができない体験を求めにいくのか?
この、あたらしい旅先での過ごし方を「本当のライフスタイル」といい、こうした体験が、本書が目指す「島国メンタリティ(閉鎖的発想)」からの脱却=中長期滞在や移住、さらにはいままでにない発想への第一歩につながるのだ。
もう一足延ばすだけで、別世界。それは、カリブも南米も同じで、実は「10年後の常識」を先取りするにすぎない。
行くなら今だ! 多くの人たちが訪れるより前に。本書はそんな島々を集めています。
―本文より―
zinseiwokaeruminaminosimajimananbokuamerikahawaihen (Japanese Edition)
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