本書は伊田広行のDV関連の5冊目の作品。本書ではDV加害者の発想のどこがどう間違っているか、どう変化させていくかといった加害者プログラムにまつわる諸点がわかるほか、DV防止法に恋愛関係をいれない点への理論的批判、DV・ストーカーにかかわるセクストーション・リベンジポルの情報、DVの呼称をIPVに変える問題、偽DV問題、加害者側弁護士の倫理、被害者の考え方の変更、DVと貧困の絡み合い」についての論考、DV/ストーカー関連の事件の記録などを収録している。DVストーカー事件の記録は、改定のたびに最新版にバージョンアップされている。
非常に実践的であると同時に、従来の議論を一歩進めた全く新しい提起(ネクストステージ)が豊富であるため、DV予防や被害者支援、相談活動にかかわるひとだけでなく、警察、司法関係者、加害者教育・治療にかかわる精神科医やカウンセラーなどにも参考となるであろう。
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目次
はじめに
1章 DV/ストーカーへの対処
1-1 怒りをもたらす考えを根元から変える――シングル単位の感覚
(ア)相手と一致する必要はない、と知ること
(イ)シングル単位の感覚を知る
(ウ)全否定されたと感じないよう、自己肯定の核を育てる
1-2 シングル単位の関係
1-3 これを実践するかどうかが大事――加害者がまともになっていくイメージ
1-4 シングル単位の恋愛観では“愛する人は自分のものではない”
1-5 『恋愛のルールなんて、みんなまちがい』
1-6 加害者の特徴と、戻りそうになった時に思い出すこと
(ア)加害者にみられやすい39個の特徴
(イ)よりを戻したくなった時に思い出すこと
1-7 DV・ストーカーにかかわる、リベンジポルノ関係・ネット関連の情報
(ア)セクストーション
(イ)セクスティング
(ウ)危険なアプリ、情報抜き取りの問題
1-8 DVに気付く契機のワーク
添付資料 青森県パンフ・親が注意すべき点
2章 加害者の考えを扱う
2-1 相手と自分の課題の分離
2-2 表面の願いとその奥にある本当の願い
2-3 認知行動療法とDV加害者プログラム
2-4 感情の動員
2-5 反省とは何かーー加害者プログラムのあり方をめぐって
3章 DVの周辺
3-1 心的外傷、学習性無力感
3-2 恋愛と友情はグラデーション
3-3 誠実さと距離のとり方(秘密)のバランスについて
3-4 広い視野で、性や関係性を捉える
3-5 被害者が、もてるなら、もっておいたらいい観点
4章 DV対処のネクスト・ステージ
4-1 恋愛関係もDV法の対象とするのが合理的――従来の法律関係者の見解批判
(ア)シェルターのあり方
(イ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は結婚への途上か
(ウ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は排他的性関係ではないのか
(エ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって――性関係拒否がDVの主因か
(オ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――同居だけが発見困難で重度なのか
(カ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――退去命令を出さないといけないからという転倒
(キ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――結婚という形式以外でも認めているという矛盾
(ク)調査から浮かび上がる現行規定の矛盾
4-2 加害者プログラムの運営について様々な論点
4-3 DVという呼称をめぐって――ジェンダー以外の抑圧要因を視野に入れてのDV把握へ
4-4 「偽DV」(でっちあげDV)の問題
4-5 弁護士の倫理と性暴力
4-6 加害者プログラムについて
補論 「ジェンダーと貧困の絡み合い――DVを中心として」
1 「ジェンダーと貧困」「DVと貧困」はあまり関係ない?
2 基本視点:貧困とジェンダーの絡み合いという枠組み
3 男性の問題も社会保障システムの問題もジェンダーの問題
4 結婚に関わる貧困問題
5 DVと貧困
6 ジェンダーの視点を踏まえた反貧困運動へ
『DVと貧困の絡み合いを暴く』パンフレット (2008年作成)
資料 DV・ストーカー・リベンジポルノ系 事件一覧
zoku deto dhibui sutoka taisakuno nekusuto suteji: DVdennsisyoseki nannba tu (Japanese Edition)
Sobre
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