物語作家七夕ハルの奇想天外な物語群の一角をになう力作。最後まで読んで損はない。
~冒頭~
たまたま出会ってから別れた。それだけのことだ。失恋の痛手から立ち直ろうと、私はスーパーに立ち寄る。ふと、あいつの好きな「ホウレンソウのゴマあえ」が置いてあるのが目に入る。別れはいつも突然。昔の人の言うことは真実だった。もう私としては、結婚の時期も近いと思い、仕事を優先させていた。思えば、それが良くなかったのかもしれない。あいつはその間に他の女を作り出て行った。よくあること、よくあること。でも、まさか私に起こるなんて。何故、親友でなくて、私なのだろう。考え始めて、自己嫌悪に陥る。親友は今結婚して幸せだ。彼女から何度アドバイスをもらっただろう。本当に親身になってくれる一番の友達だ。でも、最近仕事で連絡を取れていなかった。その彼女が上京してくることになったのは三日前。突然電話があった。あいつと親友の共通の友達から、私が一人に戻ったことを知ったのだろう。その声はあいつへの怒りにあぶれていた。でも、結局、親友はこう締めくくって電話を終えた。
「またいい人に出会えるよ」
AITU (Japanese Edition)
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