鎌倉時代末期、ピンチヒッターで天皇になった後醍醐天皇は、時の声や民の声というより自分の考えで討幕を計画し、二度失敗する。
後醍醐の息子護良(もりよし)親王の与力となっていた楠正成(まさしげ)の、強力なそしてねばり強い忠義の働きをきっかけに、時の声が重なってきてついに三度目の正直、倒幕が成る。
しかし、悲しいかな後醍醐には治世の能力・思想に欠け、人を見る目も人に働いてもらう手の打ち方もマズかった。
よって一応は目指した政権をその手にしたけれど、安定しないまま破れてゆくことになる。
足利尊氏が時の勢いや武将の声をきいて、台頭してきたのである。
正成は最後まで後醍醐に(国に)忠義を貫いて、敗戦必至と分かっている湊川の戦いに赴き、死んでゆくことになる。
その湊川の戦いの直前で、子の正行(まさつら)を自分の死後の国を守る旗印にと、同行をやめさせ国へ帰すことにする。
この場面、
乱世下剋上の世に、忠義一筋に生きる父と子の今生の別れの場面を、落合直文が詞に綴っている。そのイメージを膨らませて描いた小品である。
やさしい文体で書かれていて、青少年や歴女におすすめである。
Dainankou Kusunokimasasigesakurainowakare (Japanese Edition)
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