はじめに
本書は既刊の「超科学入門」その1~その5を1冊にまとめたものです。おとなになると日々の忙しさに大切なものを見失いがちです。そして学校を卒業するとほとんどの人が理科の勉強から遠ざかり、科学の魅力から縁遠くなってしまうものです。子供の頃、双眼鏡ではじめて月を見たときの感動をあなたは覚えていますか?ちいさいながらもクレーターの存在があなたの幼い好奇心を魅了したことでしょう。
歴史上、科学の大発見は実は正当な研究者から生まれることは稀で、アマチュアの研究者であったり、別の分野の専門家で会ったりということのほうが多いということを皆さんは御存知でしょうか?その理由をアメリカの経営学者であるクリステンセンがベストセラー書「イノベーションのジレンマ」でうまく説明をしています。また20世紀で最も偉大な物理学者と認知されているアインシュタインも元はアマチュアサイエンティストでした。
日本も例外ではないのですが、正統派と言われる科学は膠着状態に陥りやすいものなのです。進歩は日々少しずつ起こっているのですが、人間の好奇心をときめかせるような発明や発見には繋がりにくいのです。そのわけは、科学が誰が実験しても再現性があり、正しいことを証明できることを大前提にしているために、理論的な冒険がやりにくいのです。正統派と言われる科学者であればなおさら、慎重にならざるを得ません。アマチュアや異分野の人間であれば、しがらみもなく、冒険的かつ挑戦的な仮説を打ち立てることが比較的やりやすいのです。これがクリステンセンが「イノベーションのジレンマ」で説明した主旨です。
私は科学のジレンマから脱出するための新しい思想として超科学を提案します。超科学とは証明が困難なことや実験での再現が困難な事象に目を向け、冒険的、挑戦的な仮説を立て、論理を展開していくことです。超科学の最大の弱点は誰もが納得できるかどうかはわからないということです。ですがそれを補って余りある長所もあります。それはあくまでも思考上の話ですが、この宇宙に存在する人類の理解を超えた不思議に対して、人類の脳を武器にしてチャレンジできることにあります。
私はこのシリーズを通じて、おとなの皆さんに科学の弱点を補う超科学をツールとしてワクワクするような心の旅に誘おうと思います。
杉山三郎
Super Science Introduction Summary 1 (Japanese Edition)
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