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    The founding of the Peoples Liberation Army (Japanese Edition)

    Por Masahiro Yamazaki

    Sobre

    中国人民解放軍の前身である「中国工農紅軍」が誕生したのは、中国各地でいまだ軍閥が割拠し、中国の近代国家への脱皮が足踏み状態にある二〇世紀初頭のことだった。しかし、当時の中国工農紅軍は、形式的には1921年7月に創設された「中国共産党」の軍事部門という位置づけだったが、指揮系統は党の中央指導部に一本化されていたわけではなく、地方ごとに革命勢力を率いる有力な「群雄」によって個別に指揮されていた。

    創設から中華人民共和国の成立(1949年10月1日)に至る時期の「中国工農紅軍」において、特に大きな影響力を備えた「紅い群雄」は、毛沢東(もうたくとう)、周恩来(しゅうおんらい)、朱徳(しゅとく)、賀龍(がりゅう)、彭徳懐(ほうとくかい)、劉伯承(りゅうはくしょう)、林彪(りんぴょう)、葉剣英(ようけんえい)、張国涛(ちょうこくとう)、劉少奇(りゅうしょうき)などだった。彼らは、当時のライバルであった蒋介石(しょうかいせき)率いる国民党軍や、国民党との共通の敵である日本軍と激戦を繰り広げたが、紅軍の群雄たちは決して一枚板だったわけではなく、個々の会戦に際しては方針の食い違いや主導権争いなどの揉め事が、少なからず発生していた。

    「偉大なる指導者・毛沢東を頂点とする一糸乱れぬ軍隊」という後世の(中国共産党によって作られた)イメージとは大きく異なり、各地方に根拠地を持つ「紅い群雄」たちは、中国全土での革命の達成という共通の大義を抱いていたとはいえ、実質的には独自の判断に基づいて配下の軍勢を動かすという、党の中央指導部から半ば独立した影響力を保持していた。そして、国民党や日本軍との戦いの時期に生じた遺恨は、中国工農紅軍が中国人民解放軍へと改編された後もなお解消されず、遂には群雄同士の生死を賭けた熾烈な権力闘争へと発展したのである。

    それでは、中国人民解放軍の建軍過程において重要な役割を果たした「紅い群雄」とは、どのような人物たちだったのか。

    本書は、現在の東アジアで大きな影響力を持つ中国人民解放軍の創設史を、コンパクトにまとめた記事です。2007年11月、学研パブリッシングの雑誌『歴史群像』第86号(2007年12月号)の記事として、B5判13ページで発表されました。最新のハイテク兵器を装備する世界有数の近代軍隊としての側面と、旧時代的な人脈のしがらみを継承する軍閥的側面を持つ、他に類を見ないほど特異な軍隊組織である中国人民解放軍についての理解を深める一助となれば幸いです。

    《目次(見出しリスト)》

    群雄割拠時代に逆戻りした中国

    《中国紅軍の誕生期》
    雑誌「新青年」と中国共産党の創設
    南昌蜂起と中国工農紅軍の誕生
    井崗山根拠地の出現

    《朱毛の「遊撃戦略」と共産党主流派との対立》
    周恩来主導の紅軍組織拡大
    戦法をめぐる共産党内部の暗闘
    苛酷な長征と毛沢東の実権掌握

    《対日戦期における毛沢東の深慮遠謀》
    蒋介石との休戦と対日戦の開始
    彭徳懐の総攻撃に激怒した毛沢東

    《国共内戦と中華人民共和国の建国》
    国民党軍との最終決戦勃発
    林彪の活躍と三大戦役の勝利
    終わらぬ軍内の権力闘争

    【付録】主な「紅い群雄」の横顔
    毛沢東
    朱徳
    周恩来
    彭徳懐
    賀龍
    林彪
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