斎藤茂吉の第六歌集『ともしび』の電子書籍です。昭和25年刊の第二刷を底本としました。『作歌四十年』より「ともしび抄」を附録としています。
ドイツ留学より帰国した大正14年から昭和3年まで、四十代半ばの四年間の歌908首を収録。検閲に配慮し削除された4首は、補遺として巻末に収めました。
この間、茂吉は焼失した青山脳病院の再建に奔走する一方、盟友島木赤彦没後の「アララギ」発行に尽力しました。親身に診察していた芥川龍之介の自殺、養父紀一の死など、痛恨事はさらに続きますが、その間にもアララギの同人等と共に奥木曾・高野山・熊野などを旅し、幽邃な山水に親しんで、再び短歌への情熱を取り戻します。歌集名『ともしび』の由来については、「艱難暗澹たる生に、辛うじて『ともしび』をとぼして歩くといふやうな暗指でもあつただらうか」と後記中に記しています。
かへりこし家にあかつきのちやぶ台に火焔(ほのほ)の香する沢庵を食(は)む
家いでてわれは来しとき渋谷川に卵のからがながれ居にけり
しづかなる峠をのぼり来しときに月のひかりは八谷(やたに)をてらす
にほひけむ紅葉もすがれはてにけり友をうづめし信濃のやまに
各歌集の単行本から新たに本文を作成し、二度の全集によって校訂した、斎藤茂吉全歌集シリーズ(全18巻を予定)の第6巻にあたります。
本文はリフロー型の電子テキストですので、語彙検索や文字サイズの拡大縮小、メモ機能・辞書機能などがご利用になれます。
Tomoshibi Saito Mokichi zen kasyu 6 (Japanese Edition)
Sobre
Baixar eBook Link atualizado em 2017Talvez você seja redirecionado para outro site