ninkyoudera monogatari 2 (Japanese Edition)

組織暴力団総長である田高権造は、熊谷市江南地区にある静簡院の和尚・崎山隆弘和尚が、若い者の彼女である蜜壇子と、道ならぬ中に成ってしまった落し前と言おうか崎山が、懇願したと言おうか、思いってもみなかった静簡院の住職に、晋山式を遣り、跡目に成り、如何にか檀家代表と曹洞宗宗務庁を納得させることができ、愈々、これから本格的に禅寺の和尚として、迷える衆生を済度しようとした時に、お寺では一番重要である御本尊・釈迦如来佛が、誰も解らない内に消えてしまった。
さあ、大変、檀家代表たちは、皆で心配をし、警察に届けて見つけて貰おうと相談をした時、権山和尚は、暴力団の時の不文律が頭にあり、警察に届けるのは、あいならぬとのたまい、警察に届けるのを止めるよう檀家に申しつけ、自分達で御本尊の釈迦如来物を探す事にした。シッチャか、メッチャカの檀家代表たちは、足りない頭脳であれこれ推理をし始める。権山和尚としては、御本尊の変わりに国定忠次郎の姿が描かれた掛け軸を掛けておけば十分であると考えていたが、それを口に出さず檀家全員で御本尊探しを始める。果たして、御本尊は誰が盗み何処にあるのか、権山和尚は坐禅を組み昔のように、天眼通を働かせ御本尊の行く先を見つけるが、口にしないでいた。
そして、ドタバタ喜劇を見るように、楽しみ愉快に檀家たちの動きを高みの見物としゃれ込んだ。