日本語の「らりるれろ」の発音は実は外国の人にはとても発音しづらい音なのだそうでございます。なんでもRの音でもなく、Lの音でもない、この古来より伝わる日本語の「らりるれろ」とは正真正銘、日本語特有の音なのだそうでございます。ですので、お近くに日本語を習得した方がいらっしゃる方はぜひその方の日本語の音に耳を澄ましてよくよく聞いてみてくださいませ。高校生以降になってから日本語を勉強し始めた方のほとんどが「らりるれろ」の発音が正しくできないのでございます。Rの音に近い発音をされる方の場合は巻き舌で、Lの音に近い発音をされる方は小さな「ゥ」の音が最初に挿入されるようなちょっとワンテンポ遅ればせたような「ゥラゥリゥルゥレゥロ」と発音されることも多いでしょう。つきましては、我々日本人が英語という異国の言語の勉学に励む際につきましても、RとLの発音が区別できない、というのは実は日本語の「らりるれろ」の音が世界でも珍しいオリジナリティ溢れるサウンドであるが為に引き起こされた事態だったのでござります。つまりこの問題は我々の世代のみの問題ではなく、脈々隆々と受け継がれてきた日本人の遺伝子にまで遡るべき問題なのであります。
そして日本発の最近のブームと言えば、「ラーメン」でございますけれども、この「ラーメン」という単語をどう訳すべきか、というのは昨今のラーメンの国際化に置いては非常に慎重かつ丁寧に扱われるべき由々しき問題でありまして、諸外国で見聞をお広めになったご経験があります紳士淑女の皆様であればご周知の通り、ヨーロッパ諸国やアメリカの方では一般的にはRの音が充てられ、Ramenと綴ることが多いわけでございます。
この昨今のグローバリゼーションの波に威風堂々と乗りまつらんとするRamenと呼ばれる一種の社会現象でありその地位たるや他の追随を許すまじとする今や不動な国際食であるこの絶対的な存在でありますが、実は数十年ほど前から世界市場にごく一般的に流通しているインスタントラーメン、という形で最初は普及いたしておりまして、お湯さえあれば温かいご飯が食べられる、加えて極めて安価である、という非常に画期的な食べ物であったわけであります。その源流である、インスタントではないラーメンも今日日世界各国で受け入れられておりまして、なにせインスタントラーメンの普及率がいやはや爆発的なものでございますから、ラーメンはスープに麺が入っている乙でハイカラな召し物である、というのが世界各国の食生活において非常に閉鎖的と言いますか比較的保守的な部類の人たちにおきましても広く認識されておる次第でありますから、諸外国の方に置きましては、インスタントではないラーメンが日本には存在する、というのは非常に驚嘆すべき、正に晴天の霹靂といったような事態であったというのは想像に容易いわけであります。そもそもインスタントラーメンの歴史というものも実に1958年まで遡るそうでございまして、日清食品株式会社の創業者であります安藤百福氏によって考案されたものだそうでございます。
それではラーメンの歴史というものは日本独自の発明であるのか、と言われましたら、かの安藤氏も諸外国の方からラーメンの開発ヒントを得た、ということを裏付ける逸話も残っておりまして、時は1966年、アメリカへの市場進出を担っておられました安藤氏はアメリカ人のバイヤーの方がインスタント麺をこともあろうかバキリと半分に折り、それを紙コップに入れ、そこにお湯を注いでフォークで食べた、という衝撃的な光景を目の当たりにし、金属バットで後頭部を思い切り殴られたようなカルチャーショックを経験し、しかし元来器の大きさの違う安藤氏のことでございますから、正にそのインスピレーションを余すところなく受け入れ、それに大した捻りを加えることなくそのまま「カップ麺」という発想に繋げ、「カップラーメン」が誕生したとのことでございますから、アメリカ人による金属バットでの後頭部殴打という国際的なインプットがなければ、とてもとても今のようなラーメン文化の繁栄には及ばなかったという氏の見解に敬意を表紙、この時に使用されたアメリカ製の金属バットは埼玉県は東松山市にあります箭弓稲荷神社に祀られておるという逸話も残っております。
しかしながら、我が国から見ますと通称「地球」という名称で親しまれております惑星のちょうど裏側に位置しておりますブラジルというこの異国の地ではこのラーメン文化が独自のルートを経由して伝承された歴史があるようでして、誠に持って不可思議なことに、この国ではラーメンがRamenでなく、なんとLamenとして流通しているとのことでございます。何ゆえにこの国においてのラーメンがRamenではなくLamenになったのかについては本書籍の中で筆者が鋭く言及しております故、ここでの情報開示は控えさせて頂く次第でありますが、是が非でもブラジルでの何気ない日々、ブラジルの方々との心温まる交流の数々、リオデジャネイロでのパレード見学、クリチバでの観光の記録、そしてイグアスの滝へと足を伸ばし、最終的に南米諸国を周回し見聞を広めた筆者の旅と英語とギターと仕事の記録を一読、さらには二読、さらには家族の者のために音読して頂けることを心より請うばかりなのでございます。嗚呼、これも日本古来より先祖代々継承されてきた日本語の「らりるれろ」の音が世界でも珍しいオリジナリティ溢るる曖昧さに満たされたビューティフルな発音であるが為に引き起こされた現在の国際情勢を鑑みても、これまでのポルトガル語と日本語の長きに渡る歴史を紐解いてみても、誠にもって由々しき事態なのでございます。
それでは前置きが長くなってしまいましたが、旅と英語とギターと仕事、南米編、これにて開幕の儀とさせて頂きたく存じます候。
(はじめにより抜粋)
目次
タイトル
エマーソン先生からのお言葉
はじめに
第一章 サンパウロ
『青色申告立ち食い寿司、そしてイザブラジル』
『時差ぼけるにもほどがある。』
『ロジックとリズムのそれぞれの裏側』
『RamenかLamenかそれは問題ではない。』
『ねむれないよぉーるぅ、じさのせいだよーぉぉ』
『感動づくし続く人生にのみ興味アリ』
『日本には中古下着の自動販売機があると聞いたけれどそれは本当なのか?』
『フットボール観戦、そしてカメラは見ていた』
『それにしても時差ぼけに付ける薬はないものか。』
『どう頑張っても変えられないものはまとめて愛してしまうしかない』
『二十四時間眠り続けるなんて出来るはずが、、、あった』
『乾かない洗濯物』
第二章 グアラチンゲタ
『旅の感動っていつもこんな感じ』
『ウェブはバカと暇人のもの』
『なんだかんだ言ってお金は大事』
『おばあちゃんの手作りランチ』
第三章 カルナバル
『まな板の上の鯉は毒を喰らわば皿まで!』
『なんちゃーらさむらーいすーしげいしゃ』
『カルナバルにロマンスなんかない!?』
『肉食系男子の作り方』
第四章 サンパウロ再び
『つべこべ言わずにやるしかない』
『太った女性が歌うまでオペラは終わらない』
『言い訳しながら生きるには人生はあまりにも短い』
第五章 リオのパレード
『リオカーニバルまでの道のり』
『後の祭り/リオからサンパウロへ』
第六章 バック・イン・サンパウロ
『人生まじめに生きるほど投げやりなことはない』
『悪い知らせは必ず仲間を連れて来る』
『死を嘆くのはもしかして人間だけなのだろうか?』
『全てはその一歩から ~日本縦断2900キロを歩く』
『神様で言えば安息日』
『携帯は一日にしてならず/パウリスタ通り観光』
『しょうもない映画というのは前戯のようなもの、か?』
『リベルダージで思うアメリカとブラジルの違い』
『日本食の進化、それとも退化?それとも同化?』
第七章 クリチバ
『飛行機に乗り遅れることに関してはもはやちょっとした権威である』
『何かを作らずにいられないろくでなしが僕は好きだ。』
『クラックやってる人も多いからカメラとか気を付けて』
第八章 ブルメナウ
『ブルメナウなう』
『ブラジルで最も重要な文化はサッカーかサンバかお尻かのいずれかで間違いない』
『旅立ちへの準備』
『イグアスまでの道のり』
第九章 イグアスの滝
『かわいそうな私のナイアガラ』
『お前はジャッキー・チェンか?/シウダ・デル・エステ (パラグアイ)』
『女性というものは音楽のようなものだ。理解しようとすると楽しめない。/プエルト・イグアス(アルゼンチン)』
『びしょびしょ観光日記/プエルト・イグアス(アルゼンチン)』
あとがき
[24 Hours Project]について
著者略歴
まいるす・ゑびす Kindle書籍一覧
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働きながらギターを片手に旅をしていた僕の旅の日記です。まだベータ版なので300円です。そのうち500円になりますので、お早めに!
インド編、オーストラリア編も発売中。
読み放題でも読めるのでぜひ!
そして日本発の最近のブームと言えば、「ラーメン」でございますけれども、この「ラーメン」という単語をどう訳すべきか、というのは昨今のラーメンの国際化に置いては非常に慎重かつ丁寧に扱われるべき由々しき問題でありまして、諸外国で見聞をお広めになったご経験があります紳士淑女の皆様であればご周知の通り、ヨーロッパ諸国やアメリカの方では一般的にはRの音が充てられ、Ramenと綴ることが多いわけでございます。
この昨今のグローバリゼーションの波に威風堂々と乗りまつらんとするRamenと呼ばれる一種の社会現象でありその地位たるや他の追随を許すまじとする今や不動な国際食であるこの絶対的な存在でありますが、実は数十年ほど前から世界市場にごく一般的に流通しているインスタントラーメン、という形で最初は普及いたしておりまして、お湯さえあれば温かいご飯が食べられる、加えて極めて安価である、という非常に画期的な食べ物であったわけであります。その源流である、インスタントではないラーメンも今日日世界各国で受け入れられておりまして、なにせインスタントラーメンの普及率がいやはや爆発的なものでございますから、ラーメンはスープに麺が入っている乙でハイカラな召し物である、というのが世界各国の食生活において非常に閉鎖的と言いますか比較的保守的な部類の人たちにおきましても広く認識されておる次第でありますから、諸外国の方に置きましては、インスタントではないラーメンが日本には存在する、というのは非常に驚嘆すべき、正に晴天の霹靂といったような事態であったというのは想像に容易いわけであります。そもそもインスタントラーメンの歴史というものも実に1958年まで遡るそうでございまして、日清食品株式会社の創業者であります安藤百福氏によって考案されたものだそうでございます。
それではラーメンの歴史というものは日本独自の発明であるのか、と言われましたら、かの安藤氏も諸外国の方からラーメンの開発ヒントを得た、ということを裏付ける逸話も残っておりまして、時は1966年、アメリカへの市場進出を担っておられました安藤氏はアメリカ人のバイヤーの方がインスタント麺をこともあろうかバキリと半分に折り、それを紙コップに入れ、そこにお湯を注いでフォークで食べた、という衝撃的な光景を目の当たりにし、金属バットで後頭部を思い切り殴られたようなカルチャーショックを経験し、しかし元来器の大きさの違う安藤氏のことでございますから、正にそのインスピレーションを余すところなく受け入れ、それに大した捻りを加えることなくそのまま「カップ麺」という発想に繋げ、「カップラーメン」が誕生したとのことでございますから、アメリカ人による金属バットでの後頭部殴打という国際的なインプットがなければ、とてもとても今のようなラーメン文化の繁栄には及ばなかったという氏の見解に敬意を表紙、この時に使用されたアメリカ製の金属バットは埼玉県は東松山市にあります箭弓稲荷神社に祀られておるという逸話も残っております。
しかしながら、我が国から見ますと通称「地球」という名称で親しまれております惑星のちょうど裏側に位置しておりますブラジルというこの異国の地ではこのラーメン文化が独自のルートを経由して伝承された歴史があるようでして、誠に持って不可思議なことに、この国ではラーメンがRamenでなく、なんとLamenとして流通しているとのことでございます。何ゆえにこの国においてのラーメンがRamenではなくLamenになったのかについては本書籍の中で筆者が鋭く言及しております故、ここでの情報開示は控えさせて頂く次第でありますが、是が非でもブラジルでの何気ない日々、ブラジルの方々との心温まる交流の数々、リオデジャネイロでのパレード見学、クリチバでの観光の記録、そしてイグアスの滝へと足を伸ばし、最終的に南米諸国を周回し見聞を広めた筆者の旅と英語とギターと仕事の記録を一読、さらには二読、さらには家族の者のために音読して頂けることを心より請うばかりなのでございます。嗚呼、これも日本古来より先祖代々継承されてきた日本語の「らりるれろ」の音が世界でも珍しいオリジナリティ溢るる曖昧さに満たされたビューティフルな発音であるが為に引き起こされた現在の国際情勢を鑑みても、これまでのポルトガル語と日本語の長きに渡る歴史を紐解いてみても、誠にもって由々しき事態なのでございます。
それでは前置きが長くなってしまいましたが、旅と英語とギターと仕事、南米編、これにて開幕の儀とさせて頂きたく存じます候。
(はじめにより抜粋)
目次
タイトル
エマーソン先生からのお言葉
はじめに
第一章 サンパウロ
『青色申告立ち食い寿司、そしてイザブラジル』
『時差ぼけるにもほどがある。』
『ロジックとリズムのそれぞれの裏側』
『RamenかLamenかそれは問題ではない。』
『ねむれないよぉーるぅ、じさのせいだよーぉぉ』
『感動づくし続く人生にのみ興味アリ』
『日本には中古下着の自動販売機があると聞いたけれどそれは本当なのか?』
『フットボール観戦、そしてカメラは見ていた』
『それにしても時差ぼけに付ける薬はないものか。』
『どう頑張っても変えられないものはまとめて愛してしまうしかない』
『二十四時間眠り続けるなんて出来るはずが、、、あった』
『乾かない洗濯物』
第二章 グアラチンゲタ
『旅の感動っていつもこんな感じ』
『ウェブはバカと暇人のもの』
『なんだかんだ言ってお金は大事』
『おばあちゃんの手作りランチ』
第三章 カルナバル
『まな板の上の鯉は毒を喰らわば皿まで!』
『なんちゃーらさむらーいすーしげいしゃ』
『カルナバルにロマンスなんかない!?』
『肉食系男子の作り方』
第四章 サンパウロ再び
『つべこべ言わずにやるしかない』
『太った女性が歌うまでオペラは終わらない』
『言い訳しながら生きるには人生はあまりにも短い』
第五章 リオのパレード
『リオカーニバルまでの道のり』
『後の祭り/リオからサンパウロへ』
第六章 バック・イン・サンパウロ
『人生まじめに生きるほど投げやりなことはない』
『悪い知らせは必ず仲間を連れて来る』
『死を嘆くのはもしかして人間だけなのだろうか?』
『全てはその一歩から ~日本縦断2900キロを歩く』
『神様で言えば安息日』
『携帯は一日にしてならず/パウリスタ通り観光』
『しょうもない映画というのは前戯のようなもの、か?』
『リベルダージで思うアメリカとブラジルの違い』
『日本食の進化、それとも退化?それとも同化?』
第七章 クリチバ
『飛行機に乗り遅れることに関してはもはやちょっとした権威である』
『何かを作らずにいられないろくでなしが僕は好きだ。』
『クラックやってる人も多いからカメラとか気を付けて』
第八章 ブルメナウ
『ブルメナウなう』
『ブラジルで最も重要な文化はサッカーかサンバかお尻かのいずれかで間違いない』
『旅立ちへの準備』
『イグアスまでの道のり』
第九章 イグアスの滝
『かわいそうな私のナイアガラ』
『お前はジャッキー・チェンか?/シウダ・デル・エステ (パラグアイ)』
『女性というものは音楽のようなものだ。理解しようとすると楽しめない。/プエルト・イグアス(アルゼンチン)』
『びしょびしょ観光日記/プエルト・イグアス(アルゼンチン)』
あとがき
[24 Hours Project]について
著者略歴
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