「平安時代の時には "貴妃太真紅玉膏" とか "楊太真紅玉膏" とも呼ばれていたけど、その時のセールスポイントが " 楊貴妃が愛用していた洗顔クリーム" よ」
「えっっ!?楊貴妃って、あの有名な唐の楊貴妃のことか?」
「そうよ」
「第一、日本人が楊貴妃のことを知っているのか~?」
「何言っているのナオヒちゃん。だから奈良時代も平安時代も下っ端役人だったのよ。楊貴妃のことを詩で詠った白居易の "長恨歌(ちょうごんか)" は京の貴族では誰もが知っていて、紫式部の源氏物語や清少納言の枕草子の中でも長恨歌の一節は使われているわ」
「なる程ね。。。それで、その平安時代の紅玉膏というのはその後、どうなったんだい?」
「そう言われてみれば、いつの間にか自然消滅しちゃったようね。もしかしたら遣唐使が廃止されたからじゃない?それに、今のナオヒちゃんから聞くまで江戸でこんな物が流行っているなんて知らなかったわ。京でさえ見たことないもの」
「そうなるとチョットおかしいじゃないか?八百年の空白期間を置いていきなり江戸城下でこの紅玉膏がポコッと出てきたのか?そんな事されても、ましてや武家中心の江戸城下で紅玉膏と楊貴妃の関係を知っている人間なんて誰もいないじゃないか?おい、お蝶、その胡媚堂の店頭に楊貴妃に関するPOPなんか掲示しているのか?」
「ナオヒ様に言われてみれば。。。そうですね~、何も書いてなかったように思います。お店自体は結構奇麗な女性が三人で切り盛りしているようです」
「ヤッパリおかしいじゃないか。それこそ江戸城下の人間は何も意味も分からず外見と名前のイメージだけで買っている、という事になるのか?」
「そうなるとナオヒちゃんの言うとおりよね、紅玉膏と名付けた根拠が全く不明よね。確かに、今気付いたけど、私も長年化粧品は使っているけど、この紅玉膏は使い勝手としてはピカイチだと思うわ」
「。。。」
「今、ナオヒちゃんが考えている事を当ててみましょうか?これはもしかしたら、もしかするかもヨ~。。。」
「ンなばかな。。。楊貴妃は七百五十六年の "安史の乱(あんしのらん)" で死んでいる筈だぞ。。。」
「でも、ナオヒちゃん。アンタは例外の実例を知っているわよネ?」
俺は貂蝉の問に対して、ゴクリと喉を鳴らしながら頷くしかなかった。
(「楊貴妃の秘宝」より抜粋)
jyuumannen no kyuuketuki sono jyuusan (Japanese Edition)
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